艦娘とスイーツと提督と・24
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜由良:こんにゃくゼリー〜
「それにしても……提督さんも色んな物が作れるんですね」
今回のチケット当選者は由良。リクエストはこんにゃくゼリーだった。只今由良は、その完成品のこんにゃくゼリーを摘まんでムニュムニュとその感触を楽しんでおります。
「まぁな。でもそれ作ってる時は料理っつーより化学の実験してる気分だったがな」
普通のゼリーはゼラチンで固めるのだが、こんにゃくゼリーはその名の通りこんにゃくの粉とアガーと呼ばれる植物性ゼラチンの凝固作用で固める。最初は煮詰めていくと粘りが出てきてまるでデンプン糊のようになるのだが、冷やしていくと時間と共にそれが透き通っていき、なおかつプルプルに固まっていく様は化学反応を見ているようで、元々理系の俺としては楽しい一時だった。
「あはは……それはご苦労様でした」
「あ〜……解ってるとは思うが、よく噛んで食べろよ?喉に詰まって窒息、なんて笑えねぇ事故だからな?」
「大丈夫ですよぉ、私そんなにうっかりさんじゃないです」
しかし、過去に小さな子供や老人が喉にこんにゃくゼリーを詰まらせて窒息死してこんにゃくゼリーの代表格的な商品が販売中止になった事もある。気を付けるに越した事はない。美味しそうに食べる由良を眺めていたら食べたくなって来たので、俺も摘まむ。
「う〜む……市販されてる奴より固いか?市販のこんにゃくゼリーももう少しこう、ムニュッとプルっとしてて、軟らかかったような」
「良いじゃないですか。私、このくらいの方が良いですよ?噛み応えもあって、手作り感満載で」
「そうか?まぁリクエストした本人が喜んでるならそれで良いが……」
「それに、どちらかというと私は固いこんにゃくゼリーの方が良いんです。よく噛んだ方が満腹感も出やすいですし、食べる量も減りますから」
「あん?由良お前そういうの気にしてたのか。ダイエットとかしてる訳でもねぇだろう?」
「まぁ、それはそうなんですけど……私だって、少しは体型を気にしてるんですよ?」
「か〜っ、乙女だねぇ」
「むぅ、どういう意味ですかそれ?」
由良が途端に膨れっ面になる。
「いやなに、俺は軽巡の連中は華奢すぎると思ってるからな。も少し肉感的でもいいと思ってるぞ?」
「あ、ちょっと……!」
由良の右手を取り、グイっと傍らに引き寄せる。肩に腕を回し、逃げられなくする。
「それに……」
由良の左手に填められたグローブを外すと、その薬指には指輪がキラリと光る。
「俺の嫁なら、俺の好みに合わせてくれると嬉しいんだがなぁ?」
「もう、まだ馴れてないから恥ずかしいんですよ……?」
赤面しながら声も小さくなっていくが、好きな人に抱え
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ