天使のような子と一緒に帰った
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
た。いや、ほんとに近いな。
結局、俺は南さんの姿が見えなくなるまでその場に立ち尽くしていた。
さっき彼女が放った言葉──真意は分からないけど、もしかしたら南さんは俺のことが──
「……んな訳ないか」
あんな美少女がこんな俺を好きになる訳がない。くだらない夢物語を見るのはやめよう。かえって自分が悲しくなるだけだ。
「でも、本当だったら嬉しいかな」
かと言って、全ては諦めてなかったり。
もしかしたら──もしかしたら可能性があるかもしれない。そんな淡く儚い希望を抱きながら、俺は家の中へと歩を進めた。
◇
それがつい一日前の話。やはり運命の出会いとしか思えない。
ちなみにそう思い始めたのは、家に帰ってからのこと。よくよく考えてみたら「あれ、運命の出会いってこのことじゃね?」と。
あんな出会い方って極稀だろうし、家だってかなり近い。これをただの偶然で済ますって方が無理がある。やっぱり運命だったんだよ。
でも、未だに俺の本当の気持ちは分からないんだけど。
「あ、あの、神崎くん」
「ん?」
隣で歩いていた南さんに声を掛けられる。
ちなみに現在は登校中。さっき家を出たところ南さんとばったり出会した。何でも、神田明神へ朝練に行くらしい。スクールアイドルって朝練するほどハードなのかと驚いた。
「今日の放課後、空いてるかな?」
昨日のように心臓がドクンと跳ねる。これは、まさか。期待しても良いのだろうか。
いやでも落ち着け。昨日出会ったばかりなのに流石に早いよな。きっと別件に違いない。
「うん、とりあえずは空いてるけど」
「良かった。あのね、神崎くんのことみんなに紹介したいと思ってるんだけど……」
「──はい?」
──神崎蒼矢。俺の周りでこれまた波乱が訪れそうな、そんな予感がしてならなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ