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天使のような子に恋をした
天使のような子と一緒に帰った
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友達を前にして考え事なんて何をしているんだ俺は。もっとシャキッとしなければ。

「蒼矢……やっぱりお前……」

「な、なんだよ……」

「……いいや、何でもない。それよりμ'sのことだろ? ことりちゃんと一緒に教えてやるよ」

 翔真が言い掛けた言葉が気になる。まさかとは思うけど、考え事が気付かれたってことはないよな……? 翔真は中々鋭いところがあるから普通に有り得る。

 ──俺の中でさえ結論は出ていないというのに。

「それじゃまずはμ'sが誕生した経緯について教えるね。さっき前原くんも言ったけど……」



 ◇



 あれから、μ'sについて色々なことを教えてもらった。μ'sは南さんの幼馴染が発端になって生まれたこと。最初は3人しかいなかったけど、紆余曲折を経て今の9人になったこと。一時解散の危機があったことなど、たくさんのことについて知ることができた。

 驚いたのは翔真の知識量。南さんも吃驚するようなことも知っていた。翔真曰く、ネットで仕入れた情報らしいが、何故そんなことまで出回っているのかと南さんが困惑していた。ネットってこわい。

 それはともかく、家に帰ったらμ'sの曲やPVを視聴してみようと思う。すぐに虜になるらしい。

「ところで、南さんの家ってどの辺? 俺達の家もかなり近くなってきたけど」

「えっ、そうなの? 私の家もこの近くだよ」

「……マジすか」

 えっ、何? この近くっていうんだからお互いの家に数分程度で行けるってこと?
 衝撃の事実。南さんと俺達の家が近かった。

「……おっと。もうここか」

 とある十字路に差し掛かったところで、翔真が立ち止まった。住宅街のド真ん中。ここからどの方向に行っても家々が広がるが、翔真とはここでお別れだ。

「ことりちゃんの家ってここからどこに行けばある?」

「えっと……左に行けばあるよ」

「おっ、なら蒼矢と一緒だな。だけど俺の家は反対方向なんだ。悪いけど、後は蒼矢に任せるよ」

「おう。ちゃんと家まで送るから安心してくれ」

「頼んだぞ。じゃ、ことりちゃん、またな!」

「バイバイ、前原くん」

 十字路を右に曲がり、俺と南さんに背を向けて歩き出した翔真。
 ──図らずも、南さんと2人っきりになってしまった。

「え、えっと。南さんの家は左に行けばあるんだったよね」

「う、うん。神崎くんもだよね?」

「そうだよ。まさか方角まで同じだなんて」

「ほんとだね。凄い偶然だと思う」

「…………」

「…………」

 2人の間に沈黙が訪れる。緊張して上手く話すことが出来ない。南さんも今日会ったばかりの男子と2人っきりの状況に緊張しているのだろう。先ほどま
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