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転生とらぶる
ペルソナ3
1996話
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心配で、俺達から美鶴達の方に移っていった荒垣。
 色々と納得しての事だったから、特に恨みを持っている訳ではない。
 だが、それだってまさか天田の母親の件を口に出来る筈もないし、天田が俺を訪ねてきた理由が全く分からない。

「一体俺に何の用件だ? 正直、天田が俺を尋ねてくる用件に想像がつかないんだが」
「実は、アルマーさんが槍を武器にしていると聞きまして」
「まぁ、それは嘘じゃないな。……取りあえず、ここをちょっと離れるか」

 当然だが、月光館学園の前に天田のような小学生がいれば、非常に目立つ。
 勿論、ただ学校の前を通っただけ……というのであれば話は別だが、今回はしっかりと校門の前で待っていたのだ。
 そして、天田が待っていたのが、月光館学園の中では多少なりとも名前が知られている俺。
 こんな組み合わせで、周囲の注目を集めない訳がない。
 まさかそんな場所で、シャドウがどうとか、影時間がどうとか、そんな話題を出されても困る。
 ……そういう意味では、それこそ槍を武器にしてるという話題も色々と不味いのは間違いないのだが、。
 ただ、それだけであれば、それこそゲームについての話題だという風に勘違いをしてくれるだろう。……だと、いいな。
 ともあれ、そんな訳で俺は天田を引っ張って人の姿が見えない建物の陰に隠れると、影のゲートを使って俺のアパートに一気に戻る。
 いきなり足が影に沈む感覚には悲鳴を上げた天田だったが、これには慣れて貰う必要がある。
 そもそもの話、俺が一緒に行動している場合は、S.E.E.S組も影のゲートで転移するのだから。

「え? え? え?」

 混乱した様子で周囲を見回す天田。
 影に沈むなんて真似をした後で、いきなり俺の部屋に出てくるような真似をすれば当然か。

「落ち着け。美鶴や荒垣辺りから何も聞いてないのか? これは、俺の能力の1つ、影の転移魔法だ」
「あ……これが……」

 どうやら、一応話は聞いていたらしい。
 俺の言葉を聞き、ようやくその事に気が付いたのか、安堵した様子を見せる。

「ここからなら、巌戸台分寮までそんなに遠くない……取りあえず月光館学園よりは近いから、安心しろ。何なら、影のゲートで送ってやってもいいし」
「え? あの、その……」

 言葉に困る天田。
 ……まぁ、そんなに親しい訳じゃない俺の部屋にいきなり連れてこられたんだから、そんな風に思うのも当然か。

「ほら、取りあえず落ち着いて部屋に上がれ」

 そう言い、俺は玄関――と呼べる程に立派なものではないが――から部屋に上がり、エアコンのスイッチを入れる。
 俺だけであれば暑さは気にならないが、天田がいる以上はそうもいかないしな。
 靴を脱いで上がってきた天田に、冷蔵庫から取り出した
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