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ドリトル先生と奈良の三山
第十一幕その三

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「それで三山もあるんだね」
「そういうことね」
「奈良市もあって」
「いや、あそこでも色々見たね」
「大仏さんにしても春日大社にしても」
「正倉院もね」
「唐招提寺も」
 このお寺もというのです、そしてです。
 動物の皆は先生にです、こう提案しました。
「先生もう少ししたら神戸に戻るけれど」
「明後日にはね」
「けれど明日まだ時間あるし」
「もう一度奈良市回ってみる?」
「学問は何度も同じ場所回るのよね」
「だったらね」
「そうする?」
 こう提案するのでした。
「ここは」
「そうする?」
「そうしない?」
「そうだね、いいね」
 先生も皆の提案に乗りました。
「もう一度ね」
「そうそう、気付いたところを論文に書けばいいし」
「まだ発表してないから訂正出来るよね」
「それじゃあね」
「じゃあそこを見て回って」
「そしてね」
「また新しいものを見付けられたらよしとしましょう」
「うん、行こう」
 先生は皆に答えました。
「明日はね」
「そうしましょう」
「じゃあ今日は耳成山も見て」
「あとは長谷寺に行くのよね」
「桜井市のあのお寺に」
「そうしよう、あそこに行って」
 そうしてというのです。
「色々見て回ろうね」
「あそこも有名なお寺よね」
「確か源氏物語とかにも出て来る」
「かなり古くて由緒あるお寺で」
「観光名所でもあるのよね」
「そう、あそこもね」
 長谷寺もというのです。
「学問をすべき場所だから」
「それじゃあね」
「あちらに行こう」
「そうしようね」
「耳成山の次は」
 こうしてでした、皆で。
 その長谷寺に入りました、長谷寺はとても険しい山といいますか山そのものがお寺と言っていい場所で。
 お寺の中の階段を登ってです、皆びっくりしました。
「うわ、凄いね」
「かなり険しいね」
「まさに日本のお寺ね」
「建物の様式も古くて」
「趣もあって」
「そうした意味でも凄い場所ね」
「そうだね、こうしていたら」
 本当にと言う先生でした、先生も階段を登っています。
「何か特別な場所に来た気分になるね」
「門前町もあるしね」
「あそこも昔からの町よね」
「長谷寺の前に昔からある」
「そうした場所ね」
「そうだよ、本当に源氏物語の頃からあるから」
 平安時代です、まさに千年は前です。
「それだけの歴史があるよ」
「ここに源氏の君も来たのね」
「物語でのことだけれど」
「この階段のところも登ったのかしら」
「それで景色も見たのね」
 周りの景色は山のとても奇麗で壮大なものです、まるでずっとそうであった様な自然の景色が皆の目の前にあります。
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