第六章 オールアップ
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映っていくような。あ、あの、は、裸といっても、全然いやらしい感じじゃないですからね」
敦子は顔を赤らめ、笑った。
「かか、かか、かなり合う気がっ、するな、さ、さっき聞いた歌の、イメージにっ。でででは、では、その絵は、トゲリンに依頼しよう。水彩で美少女をかか描いてみたいとかとか以前いってたたら、きっとやってくめるかとっ」
「はあ、凄いんですねえ、トゲさんも」
「まっ、まっ、まっ、まっその」
八王子とトゲリンばかりが褒められて、ちょっと傷つく定夫。だから田中角栄の真似をしているわけでもないが。
「労力的にも、お二人には大変な作業を強いることになっちゃいますね。あたしに画力とか楽器ひく才能とかあれば、あたしがやっちゃうんだけどなあ。残念ながら、そういうのさっぱりなんで」
「へ、へけっ、編曲はっ、コピープーストも多いし、作業が波に乗ってしっしまえば早い、とか以前に八王子がいてたっ。絵も絵で、止めだから、い、一枚描いてもらえればいいし。とは、とはいってもっ、トゲリンのことだから、相当にきっ気合を入れたもの描いてしまいそうな気も、す、するするけどっ」
「監督のレンさんと、三人組とも凝り性だから、あそこまでの作品が出来たんですものね」
「いや、おれなんか、ぜ、全然で。‥‥でも、でも、エ、エンディングの、アイディア、出してくれたことは、た、たつ、たたっ、助かたっ。確かに、字幕だけのエンディングの味気なさ、いいのだろうかという、複雑な気持ちもあったから。な、な、な、なんか、これで、すべてのピースがかっ噛み合いそうな、気が、するよ」
定夫は脂汗いっぱいの顔面を、ティッシュで拭った。
「そういっていただけて、ようやく少しだけお役に立てた気がします、あたし」
敦子はちょっと嬉しそうな表情で、ふふっと笑った。
4
いっちにっ、
いっちにっ、
いっちにっ、
いっちにっ、
ふぁいとっ、
ふぁいとっ、
いっちにっ、
河川敷沿いのサイクリングコース兼散歩道を、四人はジャージ姿でジョギングしている。
このような程度の運動負荷をジョギングといえるのならば、であるが。
定夫、
トゲリン、
八王子、
へとへとばてばて、ぜえはあぜえはあ、数秒後にでも死んでおかしくない苦しそうな表情。
酔っぱらいのような千鳥足のため余計に体力を消耗しているようにも見えるが、さりとてどうしようもないのだろう。
しかし酷い走りである。
疲れているということは鍛えられている。とでも思わねば、とてもやっていられないレベルだ。
唯一まともなのは、先頭を走る沢花敦子だ。
一人元気に、大きな声を発している。
先ほどの掛け声
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