第十一幕その二
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「私達と一緒ね」
「うん、そうだよ」
「僕達は小人ってだけでね」
「他は皆と変わらないの」
「お家だってあるし」
「普通にこの山の中で木の実とかを食べて暮らしてて」
「皆と変わらないのよ」
身体も暮らしもというのです。
「全然ね」
「何も変わらないよ」
「そういえば」
ここで恵梨香が言いました。
「北海道から来たお友達が言ってたけれど」
「何てかな」
「ええ、コロボックルさん達はね」
その彼等はといいますと。
「私達と同じで」
「何も変わらないんだ」
「そうした暮らしをしてるってね」
「そうなんだ」
「自然の中でね」
「本当に大きさが違うだけなんだ」
「魔法とかは使わないって」
そうだというのです。
「そうしてアイヌの人達のお友達だったってね」
「そのアイヌの人達だけれど」
トトは恵梨香にその人達のことも聞きました。
「北海道の人達だよね」
「昔から住んでるね」
「その人達がなんだ」
トトはコロボックルの人達を見つつ言うのでした。
「このアットゥシって服を着てて」
「そして自然の中で暮らしていたの」
「今もいるよね、アイヌの人達って」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「アットゥシは殆ど着ていないわよ」
今コロボックルの人達が着ているその服はというのです。
「私達と同じ服を着ているわ」
「同じ服なんだ」
「そうなの、それに食べるものも」
そちらもというのです。
「私達と同じよ」
「完全に同じになってるんだ」
「結婚もするし」
日本の人達と、というのです。
「一緒に暮らしてるの」
「完全に一緒になっているんだ」
「そうよ」
「そこは何か」
ここまで聞いてこう言ったトトでした。
「ネイティブの人達と違うね」
「あっ、オズの国にも集落あるわね」
「オズの国でもネイティブの人達はね」
「独自でなのね」
「暮らしてるから」
それでというのです。
「そこは違うね」
「そうね、言われてみれば」
恵梨香もトトのそのお話に頷きます。
「日本は皆一緒になることが多いのね」
「日本の人達もアイヌの人達も」
「同じ日本人だし」
「日本人だからなんだ」
「一緒になるの、それに日本人じゃなくても」
恵梨香はいつも一緒にいる神宝達も見て笑顔でトトにお話しました。
「皆とも一緒じゃない」
「そうだね、言われてみれば」
「ええ、そういうことはこだわらないから」
「そうなんだ」
「日本ではね」
「成程ね」
「あとね」
さらにお話した恵梨香でした。
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