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嗤うせぇるすガキども
とある地獄の断罪台帳 2/2ページ
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 検索範囲は魔界のみならず、地上界にまでひろげている。

『しょうがない。こいつは第666サイクロン・プラントの粉体分離器に掛けてみよう』

 結論は出たようだ。
 ハエの魔物は文科省のなれの果てを小さなクリスタルにエレメントとして封じ込め、鍵付きジュラルミンケースに入れると、赤猫とともに第666プラント、つまり隣の工場に向かった。



 粉体分離器。
 要するにサイクロンタイプの掃除機の巨大なやつである。
 ハエの魔物は、今度はミスター文科省をこれに掛けて微粒子に粉砕し、成分ごとに分けて利用方法がないかさぐってみるつもりだ。

『それっ! バイバイキー○』

 ミスター文科省が機械の中に放り込まれる。
 磁力砲で粉体分離器のなかにたたき込まれた彼はあっというまに粉末にされ、比重ごとに分離されたサンプルとなって出てくる。

『どうにゃ? にゃにかに使えそうかにゃ』

 微細粒子分析機のアウトプットをタブレットに出したハエの魔物は、それをしばらく眺めていたが、途中で何かに気がついたらしく、これらを材料に超重力下で化合させた場合のシミュレーションを始めた。






『じゃーん。俺様のパワーを倍加させるブースト剤ができたぜ!』

 そう、最初にハエの魔物がミスター文科省から出る「瘴気」をいい香りだと思ったことからもわかるとおり、彼にはミスター文科省の成分と親和性があったのだ。

『あいつ一人で、たった一粒しかできにゃかったにょか?』
『いや、10人分で一粒だ』

 これはハエの魔物が地上で作ってここに持ち込んだ、シュバルツシルト半径1ヨクトメートルのマイクロブラックホールを使って生成したものだ。
 そんな極小のブラックホールが「蒸発」しない理由はわからない。
 しかし、そのくらいのものなら他に危害を与えることは絶対ないだろう。

 こうしてミスター文科省は、未来永劫ハエの魔物の強壮剤の材料として、この無間地獄で粉砕され続けることとなった。






『おい、携帯がなってるにゃ』
『ああ、気がつかなかった。
 ……もしもし?』

 どうやらこの通話は、魔界からのものではなさそうだ。
 ハエの魔物が「日本語」で応対している。

『すっかり忘れてた。
 宿敵との戦いがセッティングされてたんだ』

 ハエの魔物は「悪の化身」と思われているが、実際は「利己心の化身」だ。
 地上とも異なる異世界で、そこにいる「利他心の化身」と戦い続けている。
 これはもはや「宿命」のようなものだ。
 そして彼はつねに僅差で宿敵に負け続けている、もう一万回は負けただろうか。
 ボロボロ継ぎ当てだらけのマントを羽織り、自分は何も食べず、他の者に食べられてばかりの宿敵
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