とある地獄の断罪台帳 1/2ページ
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境のためにもそういうエネルギーは、再利用されるべきだろう。
『調子が悪いのはこれだにゃ』
赤猫が言うとおり、4つのユニットの中で1つだけ、くすぶってよく燃えていないのがある。
『見るからに燃料が燃えないゴミだな。
機械室に行って燃焼オートファジーの物理特性をいじってくるわ』
ハエの魔物は、床のマンホールの一つを開けて、中に入っていく。
そこが「機械室」に通じているのだろう。
彼には機械のマニュアルなどまったく必要ない。
一人残った赤猫は、なかなか火が付かず煙が出ているだけの罪人を見る。
デブだから油があってよく燃えそうな燃料なのに、いつまでも中途半端に焦げている。
いくら人間の屑だからといって、生殺しは良くない。
そう、そこにいるのは天使に化けた小娘悪魔が地獄送りにした「プラウダ風紀いいんかい?」だった。
『煮ても焼いても食あたりしそうなブサイクだにゃ』
「だ、だずげで、ぐれ……」
そこに誰かいるらしいと知って、ここから出してくれと懇願したかったプラウダ風紀いいんかい?だったが、言葉にできたのはそれだけだった。
プラウダ風紀いいんかい?の前半分はまったく燃えていなかったが、背中の方からもくもくと煙があがる。
『おみゃーの背中は傷だらけだにゃ。
よほどいろいろなものから逃げてばかりいたんだにゃ。
どうせおみゃーは好きなおんにゃができても、遠くからこっそりながめていただけにゃんだろ?
ちがうかにゃ?』
「……ざ、ざんしけんのおんなになと、ぎょ、ぎょうみばない」
もちろんそれは自分自身をだます嘘だと、赤猫は気づいている。
彼もまた、二次元に住んでいたことがあるから。
『ちがうにゃ。おみゃーは逃げているだけにゃ。
負けるのが恐くて、戦わなかっただけにゃ』
「ぬ、ぬごのぐぜに、な、なにかわがる……」
必至に抗弁しようとするプラウダ風紀いいんかい?。
しかし、そのとたん背中の傷の一つが破れ、どす黒い血がまき散らされる。
『おみゃーは生前、よほど不摂生していたようだにゃ。
家族に週一回はテラ盛りパフェを宅配させて、1日3個は「パフェ」と名のつくスイーツを買いに行かせていたらしいにゃあ。ビールのつまみにもパフェを食っていたらしいにゃ。パフェの食い過ぎだにゃー!!
……それにしても「猫のくせに」か。なつかしいにゃあ。
毎度毎度良く言われたものにゃ。猫のくせに人間に惚れるにゃと。
そう言われて、振られてばかりいたにゃ』
「……あ、あだりまえた、ぬごかにんけんにぼれるなと……」
当たり前か。赤猫は思う。
そう思うことで自分を貶めてきたなれの果てが、こいつだと。
『だが、俺は勝ち目が皆無でも戦ったに
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