ペルソナ3
1995話
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「え? ちょっと、それ本当?」
夏真っ盛りの頃に比べると、幾らか涼しくなってきた長鳴神社の境内にゆかりの驚きの声が響く。
目を覚ましたと思ったら、荒垣が俺達のパーティから抜けると言うのだから、驚くのも当然だろう。
「わふぅ……」
近くで俺の話を聞いていたコロマルも、残念そうに鳴き声を上げる。
コロマルはそこまで荒垣と親しい訳ではないが、それでもやはり多少なりとも会った事のある荒垣がパーティを抜けるというのは寂しい……といったところか。
「ああ。色々と事情があってな」
「それって、制御剤関係?」
「いや、そっちは関係ない」
ゆかりも、制御剤がどれだけ危険な代物なのかというのは説明されている以上、心配そうに俺に向かって尋ねてくるが、それを即座に否定する。
まぁ、イクシールを使っても完璧に制御剤の副作用を治療出来た訳ではない以上、完全に間違っている訳ではないが……それだけであれば、別に病院で治療をすればいいのだから、俺達と行動を共にしながら病院に通えばいい。
もっとも、荒垣は何だかんだと病院に行くのを避けそうな気もするが。
「制御剤関係じゃなくて、荒垣の個人的な問題だ」
天田とその母親の件は、ここで口にしない方がいいか。
もし口にすれば、両親と色々複雑なゆかりにとっては、過剰に反応しそうだし。
父親の件は、武治と話した事で大分落ち着いているけど、母親の件は全く解決してないからな。
……正直、どうしたものやら。
ともあれ、今はそうやって誤魔化しておくのが最善だろう。……と思う事にしておく。
「その、荒垣さんの為に、私達は何も出来ないの?」
「どうだろうな。何かやるにしても、荒垣がそれを望んでいないようだと、それこそありがた迷惑って感じにしかならないだろ」
個人的に荒垣には死んで欲しいとは思っていないので、出来ればどうにかしたいとは思っているんだけどな。
「荒垣さんが望んでない、か。じゃあ、私達に出来るのはタルタロスを攻略する事だけ?」
「それと、満月に出てくるイレギュラーシャドウに関してもだろうな。もう1週間もしないうちに次のイレギュラーシャドウが出てくる。来月もまた2匹のシャドウなのか、それとも1匹なのか。……ともあれ、イレギュラーシャドウを倒せばそれだけ影時間の解決に続く筈だしな」
「……ねぇ、ちょっと考えてたんだけど、タルタロスの攻略ってイレギュラーシャドウに関係あると思う? 勿論、イレギュラーシャドウを倒すという意味では強くなる必要があって、そういう意味ではタルタロスで鍛えるのは十分役に立つと思うんだけど……」
「言われてみればそうだけどな」
実際、タルタロスにイレギュラーシャドウが現れたのは、山岸の一件の時だけだ。
それだって、別に
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