第六感
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・・・」
そのまま地面に落ちるかと思われたギルダーツだったが、それをこの男は許さない。地面に付く直前で髪を掴んで止めると、引き寄せて腰にエルボーを入れる。
「俺の魔法が評議院より劣っているわけないだろ」
先程のエーテリオン。あれはティオスに取って本気の魔法だった。しかし、彼一人では評議院全体を用いての魔法よりも力が落ちるのは必須。ギルダーツはそれに気が付いていたからこそ挑発に出たのだが、それが仇となってしまった。
「偶然防げたからって、調子に乗ってるんじゃねぇぞ!!」
地面に伏せている彼に黒い冷気を込めた右腕を降り下ろそうとした。しかしその腕を、影になったローグに弾かれてしまい、あらぬ方向へ魔法が飛んでいってしまい、失敗に終わる。
「そう簡単にやらせないぞ」
「俺たちでお前を倒してやる」
「仲間がいれば、必ず勝てるんだ」
それを聞いてティオスはさらに不機嫌そうに口を尖らせた。
「仲間がいれば・・・か。本気でお前たちはそう思っているのか?」
「あぁ!!思っているさ!!」
これまでよりも低い声で問いかける。それに対しスティングは間髪入れずに答えた。
「俺たちは昔は仲間なんてどうでもいいと思っていた。でも、妖精の尻尾がその大切さを教えてくれた!!」
「そのおかげで俺たちはより強くなることができた」
「想いの力を、手に入れることができたんだ」
三人がそう言った瞬間、苛立っていたはずのティオスの口元が緩んだ。その瞬間、三人の背中を冷たいものが流れる。
「俺も昔はそう思っていた。仲間がいるから頑張れる。みんなで力を合わせればきっと何とかなる・・・でも、そんなものは幻想だ」
「そんなことはない!!仲間を想う強い気持ちは、絶対に負けることはないんだ!!」
なおも反論しようとしたスティングだったが、ティオスはそれを制する。彼は首を鳴らすと、厳しい言葉を投げ掛けた。
「確かにお前や妖精の尻尾はそれで勝ってきたんだろうが、じゃあ相手は?」
「「「え・・・」」」
「相手には想いの力はなかったのか?」
それを言われると、彼らは何も答えられなくなった。相手にも何か意志があるから戦うことになった。その際自分たちが勝利を納めたのは想いの力が強かったからなのか、それとも実力が上回っていたなのか説明ができない。
「そもそも、君たちの勝利も勝利と言えるか疑問だがね」
「何?」
言葉を失っていた彼らはその言葉で正気を取り戻した。しかし、それはすぐに失われることになる。神の子の一言によって。
「もし君たちが仲間を守りたいと想い戦うのであれば、この戦争の負けは確定している。なぜなら・・・」
そう言って彼が指を指したのは、多くの仲
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