第六感
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たり前の話だ。
「魔水晶をカミューニに騙し取られて東洋の国に身を隠していたのに、なぜこのタイミングでこちらに・・・ましてやフィオーレではなく西の大陸に渡ったのだ?」
鋭い眼光を光らせ問いかけるエルザ。天海はそれに無表情のまま答えた。
「簡単だ。あの男の情報を入手するキーマンがいると聞いたからだ」
そう言って彼が指を指したのは、ラクサスと共にアルバレス軍を撃退しているカミューニ。それを見て数人の事情を知るものは彼が誰を求めてアルバレスに乗り込んだのかすぐにわかった。
「リュシーか・・・確かに同じBIG3の奴なら・・・」
だがそれは裏返せばリュシーが早くからイシュガルを裏切っていたことになる。彼女と仲の良かった緋色の剣士からすれば、それは非常に心が苦しくなるものだった。
「だが、それならなぜアルバレスに付いた。お前ともう一人の奴は国を壊滅状態にできるほどの実力があったんだろ!!」
真っ青になっているシリルを支えているグレイが声を荒らげた。
「その国には強い魔導士が大勢いると聞いていた。だが、戦ってみれば皆雑魚ばかり・・・そんな時に、スプリガンに声をかけられたんだ」
アルバレス帝国の皇帝スプリガン。今回の戦争の引き金を引いたその男が彼を誘い込むのは簡単だった。
『君より強い人間を僕は知っている。彼と戦ってみたくないかい?』
それを聞けば彼の解答は一つしかない。その条件としてアルバレス帝国に付かなければならないのであれば、それは些細なものだったのだろう。
「この南方にそいつが現れると聞いて来たが・・・」
そう言った天海は距離を置いていたレオンに接近する。打ち出された拳。少年はそれを難なく手で叩いた。
「スピード、パワー、体力、判断力、第六感・・・全てが優れている。まさしくお前が俺の求めていた強者」
その狂気に満ちた瞳に映るのは金色の髪をした少年ただ一人。他の者など誰一人として映ってはいなかった。
「俺を認めてくれるのはうれしいが、生憎1対1を張るつもりはないぜ?」
無情な少年の言葉。それを受けて彼の背後から現れたのは、魔法陣を書き終えた少女とそれを持っているオレンジ色の猫。
「ファイア!!」
炎の渦を生み出したサクラ。レオンはそれから逃れるように逃げるが、天海はそれを簡単に消し飛ばしてしまった。
「あぁもう!!なんで決まらないのぉ!!」
不意討ち、速攻、好条件を揃えていたにも関わらず届かなかった攻撃に悔しさを爆発させる。だが、そんなことをしている余裕はなかった。
「目障りだ、落ちろ」
空に飛び上がっていた彼女の目の前までジャンプで来ていた天海。彼は油断していたサクラとラウルを地面
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