第六感
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「「・・・」」
睨み合って動かないギルダーツとティオス。だが、両者の表情は大きく違っている。口をきつく結んでいるギルダーツと笑みを浮かべているティオス。どちらが余裕があるのか、誰の目から見ても明らかだった。
バッ
先に動いたのはギルダーツだった。彼は手をティオスに向ける。それを見て青年は冷静に体を横にズラすと、後ろにあった木々が一瞬で粉々になる。
「吹き飛びな」
ギルダーツのクラッシュを難なく回避したティオスはその位置から腕を振るう。すると、突風が吹き荒れ四人を強襲した。
「くっ!!」
「風!?」
「なんて力だ」
「踏ん張るので精一杯だ」
その強風に耐えるために足に力を入れていたギルダーツ。ティオスの狙いはそれだった。動きが取れない彼に一瞬で詰め寄ると、黒い魔力を込めた拳を振るう。
「ほらよ」
「ガハッ!!」
目にゴミが入らないようにと片腕で顔の周りをガードしていたことが仇になってしまった。視界が減少していたことでティオスの攻撃に反応することができなかったギルダーツは、彼の拳をまともに受けて尻餅を付く。
「チッ」
追撃に備えてすぐさま体を起こしたギルダーツ。その予想通り、ティオスは高々と足を振り上げ、自分に狙いを絞っていた。
「ギルダーツさん!!」
目にも止まらぬ速さで降り下ろされた右足。しかし、ギルダーツはそれを間一髪で転がるようにして回避・・・
「できてればいいんだけどな」
「!?」
したかに思えた。だが、ティオスは交わしたはずのギルダーツの真後ろにいつの間にかやって来ており、彼がそちらを振り向いた瞬間・・・
ゴンッ
強烈な右ストレートが顔面に入れられた。
「ガッ・・・」
鼻血を出して倒れそうになった妖精。だが、この男はそれを許さない。胸ぐらを掴み地に落ちようとした彼を引き寄せると、今度は左手での往復パンチを幾度となく繰り出す。
「やめろ!!」
「その手を離せ!!」
意識が飛びそうになっていたギルダーツを助けるべくスティングとグラシアンが救助に走る。それを視界の端で捉えたティオスは、捉えていた男を二人に投げ付けた。
「「「どわぁっ!!」」」
二人よりも大柄なギルダーツを勢いよく投げつけたことによりスティングもグラシアンも地面を転がる。だが、その際彼らの後ろにいたはずの黒髪の青年はいなくなっていた。
「こっちか」
すぐさま後ろを振り返り魔力を溜めるティオス。しかし、そこにはいるはずの青年の姿がない。
「影竜の・・・」
「!!」
ローグは一度影になってティオスの背後を取った。しかしそれは相手に気付かれることを想定していたローグは影から完全には戻らず、青年が後ろを向いたタイミングで再
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