天使のような子を助けた
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が親友の声が聞こえてきた。
「おーい、蒼矢ー!」
「よう、さっきぶり」
「流石だな。演技、上手かったぞ」
「そうでもないぞ。ただあいつらが馬鹿だっただけだよ」
「またまた謙遜しやがって。っと、ことりちゃん、大丈夫か?」
ターゲットを俺からことりちゃんへ変更した翔真。いつの間にか、泣き止んで俺達を見守っていた彼女。
「は、はい……。でも、どうして私の名前を……?」
「どうしてって。そりゃスクールアイドルが好きなら自ずと分かるさ。な、蒼矢?」
「ごめん、俺は言うほど詳しくないんだわ」
「どうしてだよ! この前散々教えてやったのに!」
「A-RISEとさっき教えてもらったグループしか覚えてない。えと……何だっけ」
「μ'sだよμ's! ほら、ことりちゃんがいる……あっ」
スクールアイドルの事で饒舌になっていた翔真だが、何かに気付いたのか、急に口を閉ざす。そして、みるみる顔が驚愕の色に染まっていき──
「ほ、本物のことりちゃんだ……! こんな間近に……!」
「いや今更かよ」
「だって色々あって気にする暇なかったんだよ……!」
何かと思えばコレだ。ことりちゃんも翔真の豹変ぶりに困惑を隠せない様子。だが、翔真はそれに気付いている様子はなく、何の躊躇いもなくサイン用の色紙とペンを差し出した。
「俺、μ'sのファンなんです! ことりちゃん推しなんです! サイン貰ってもいいですか!?」
「え、えぇ……?」
「おいアホ落ち着け。困ってるだろ」
残念なイケメン、前原翔真。自分の好きな物を前にすると暴走する癖がある。コレと運動音痴さえなければ完璧なのに。
「サインは別に構わないんですけど……。ええと、お二人はμ'sのファンなんですか?」
「コイツはそうだけど俺は違うかな。ついさっき存在を知ったばかりだし。でも、少しだけ興味はあるかも」
「そうなんですか、ありがとうございます」
優しく微笑むことりちゃん。
その笑顔が眩しすぎて──心臓がドクンと跳ねた。思わず、彼女と目を逸らしてしまって。
今まで気にする余裕なかったけど、実はことりちゃんって物凄く可愛いんだよな。加えて声も脳が蕩けそうな甘い声。
うん、悪いけどナンパされるのも仕方ないわ……。
「あー……お礼なら俺よりも翔真に言ってくれ。色々グッズ買ってたから」
いきなり目を逸らして怪しまれたかな、と思いつつも、ことりちゃんの様子を伺う。だけど、予想と反して当の本人はまるで気にしていない様子だった。照れ隠しみたいに思われたのかもしれない。
色紙とペンを受け取り、慣れた手つきでペンを走らせていくことりちゃん。やっぱりこういう時の為
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