暁 〜小説投稿サイト〜
天使のような子に恋をした
天使のような子を助けた
[4/6]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
が親友の声が聞こえてきた。

「おーい、蒼矢ー!」

「よう、さっきぶり」

「流石だな。演技、上手かったぞ」

「そうでもないぞ。ただあいつらが馬鹿だっただけだよ」

「またまた謙遜しやがって。っと、ことりちゃん、大丈夫か?」

 ターゲットを俺からことりちゃんへ変更した翔真。いつの間にか、泣き止んで俺達を見守っていた彼女。

「は、はい……。でも、どうして私の名前を……?」

「どうしてって。そりゃスクールアイドルが好きなら自ずと分かるさ。な、蒼矢?」

「ごめん、俺は言うほど詳しくないんだわ」

「どうしてだよ! この前散々教えてやったのに!」

「A-RISEとさっき教えてもらったグループしか覚えてない。えと……何だっけ」

μ's(ミューズ)だよμ's! ほら、ことりちゃんがいる……あっ」

 スクールアイドルの事で饒舌になっていた翔真だが、何かに気付いたのか、急に口を閉ざす。そして、みるみる顔が驚愕の色に染まっていき──

「ほ、本物のことりちゃんだ……! こんな間近に……!」

「いや今更かよ」

「だって色々あって気にする暇なかったんだよ……!」

 何かと思えばコレだ。ことりちゃんも翔真の豹変ぶりに困惑を隠せない様子。だが、翔真はそれに気付いている様子はなく、何の躊躇いもなくサイン用の色紙とペンを差し出した。

「俺、μ'sのファンなんです! ことりちゃん推しなんです! サイン貰ってもいいですか!?」

「え、えぇ……?」

「おいアホ落ち着け。困ってるだろ」

 残念なイケメン、前原翔真。自分の好きな物を前にすると暴走する癖がある。コレと運動音痴さえなければ完璧なのに。

「サインは別に構わないんですけど……。ええと、お二人はμ'sのファンなんですか?」

「コイツはそうだけど俺は違うかな。ついさっき存在を知ったばかりだし。でも、少しだけ興味はあるかも」

「そうなんですか、ありがとうございます」

 優しく微笑むことりちゃん。
 その笑顔が眩しすぎて──心臓がドクンと跳ねた。思わず、彼女と目を逸らしてしまって。

 今まで気にする余裕なかったけど、実はことりちゃんって物凄く可愛いんだよな。加えて声も脳が蕩けそうな甘い声。
 うん、悪いけどナンパされるのも仕方ないわ……。

「あー……お礼なら俺よりも翔真に言ってくれ。色々グッズ買ってたから」

 いきなり目を逸らして怪しまれたかな、と思いつつも、ことりちゃんの様子を伺う。だけど、予想と反して当の本人はまるで気にしていない様子だった。照れ隠しみたいに思われたのかもしれない。

 色紙とペンを受け取り、慣れた手つきでペンを走らせていくことりちゃん。やっぱりこういう時の為
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ