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儚き想い、されど永遠の想い
479部分:最終話 永遠の想いその一
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最終話 永遠の想いその一

                最終話  永遠の想い
 朝になった。真理はまだ目覚めない。しかしだ。
 その枕元でまんじりともせずに座っている義正にだ。佐藤が話してきた。
「旦那様、外を見てきました」
「それで外は」
「はい、咲きました」
 そうなったとだ。微笑んで彼に話してきたのだ。
「桜が。遂にです」
「そう。咲いたんだね」
「満開です」
 しかもただ咲いたのではなかった。満開だった。
 そのことを聞いてだ。義正は。
 話を聞いたその瞬間に満面の、優しい笑みになった。そうしてだった。
 眠っている、白い顔で目を開けない真理にだ。こう声をかけたのだ。
「咲きましたよ」
 返事はない。真理は目を開けない。しかしだ。
 その彼女にだ。彼はまた言ったのだった。
「桜が。行きましょう」
「あの、奥様ですが」
 看護婦がだ。怪訝な顔になりだ。そのうえでだ。
 彼に対して言う。真理はもう二度と目を開けないのではとだ。
 しかしだ。彼女が言う前にだった。義正が言ったのである。
「後は待ちます」
「待たれるとは」
「妻が目覚めるのを」
 その時をだ。待つというのだった。
「その時を待ちますので」
「そうされても」
「いえ、妻は必ず目を覚まします」
 義正は確信を以て答える。
「ですからその時にです」
「奥様とですか」
「桜を観に行きます」
 微笑みだ。看護婦に対して述べた。
「そうします」
「左様ですか」
「ではです」
 看護婦の後ろからだ。医師がだった。
 義正にだ。こう答えたのだった。
「その時までです」
「はい、何でしょうか」
「お休みになられますか?」
 彼にだ。休息を勧めたのだ。
「そうされますか?」
「休息ですか」
「一晩寝ておられませんし。如何でしょうか」
「いえ、私はまだ大丈夫です」
 問題はないと返す義正だった。実際にだ。
 彼のその顔には疲れがなかった。目も落ち着いている。まるで疲れも眠気も最初から知らない様な、そうした態度で医師に対して応えたのである。
 そしてだ。こう婆やに言ったのである。
「食事をもらいたいのですが」
「何に為されますか?」
「リゾット、若しくはオートミールを」
 それをだというのだ。
「どちらかをシェフに頼んでくれますか」
「西洋のお粥をですか」
「それをもらいたいです」
「わかりました。ではシェフの方々にお話してきます」
「お願いします。真理さんにはです」
 彼女のこともだ。ここで言う彼だった。
「お水をお願いします」
「それをですか」
「はい、それをです」
 真理にはだ。それだというのだ。
「ではその二つを」
「それでは」
 婆やもだ。笑顔で頷きだ。そのうえで
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