その29
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った。ありがとう」
ナルトが助かった安堵故に、ナルトを助けた九尾に対する好感を抱き、サスケがそう漏らした瞬間だった。
「え…」
サスケの側で、聞き慣れない女の声が聞こえてきた。
ふと、そう言えばナルトを助けようと動いてくれたのは、九尾だけじゃなかった事を思い出す。
そして、今のサスケの言葉が、そいつにあてたものにも取れなくもない事を。
しっかりと顔をあげて、赤い目と赤い髪の、ナルトとは全く似ていないのに、どこか似たような雰囲気を持つ赤い女と目を合わせて、ナルトへの尽力に礼を言う。
「こいつはいつも他人を優先ばかりして強情を張るからな。自分がどんな状況だろうとお構い無しだ。あんたの叱咤も有り難かった。助かった。済まなかったな」
九尾が居ればナルトは死なない事は証明されたが、このうずまき一族の女の行動も、ナルトが生き残る確率を上げるものだった。
成る程。
こいつの力は役に立つ。
十中八九、ナルトの行動は忍らしくもなく単に情に流されただけの結果だろうが、ナルトの判断は間違いではなかった。
この女の能力は使える。
素直にそう思う。
ナルトの側に置いておくのに丁度良いとそう思った。
「え、あの、別にウチは、助けてくれるから助けただけで、こいつの為じゃなくて、ウチの為だったし…」
「ああ。分かってる。だが、あんたのお陰でこいつが持ち直したのも確かだ。あんたがあの時こいつにチャクラを分けてくれなかったら、ナルトは死んでいたかもしれない」
自分の漏らす言葉の持つ威力を再確認し、サスケはナルトを抱える腕に力を入れた。
いつの間にかナルトはサスケの腕の中に納まるくらい、小さくなっていた。
出会った頃は、同じくらいの体格で、力だってそうだったのに。
最近、ナルトを力で押し切ってしまえるようになっている事を、サスケは改めて認識した。
その理由もだ。
ナルトは女で、サスケは男。
そして、失いたくない女なら、自分の物にしてしまえば良いのも、何となく理解している。
父が母を大切にしていたみたいに、自分がナルトを囲ってしまえば良いのだ。
ナルトを自分に従わせてしまえばいい。
自分の側にナルトを縛り付けてしまえば、ナルトは何処にも居なくならない。
男と女ならそれが出来る。
そうすれば、ナルトにだって、家族が出来る。
ナルトが夢見たように、サスケがナルトの家族になれる。
ナルトが本当に望んでいた形では無いだろうが、それでも家族は家族だ。
サスケにも、もう一度、家族ができる。
また、家族を失ってしまう恐怖を、サスケは抱える事にはなるだろうけれど。
それでもナルトを永遠に失ってしまう事に比べれば、些細な事だ。
第一、今のようにサスケの所に入り浸っておいて、ナルトはサスケ以
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