その28
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複雑そうな表情をする事が多かったのに。
今はまるで、喉を鳴らす猫のようにくすぐったそうに頬を染めて笑うナルトに、カカシの頬も緩んでしまう。
「で?ナルト。お前はどんな土遁を覚えたいの?」
一口に土遁と言えど、敵を攻撃する術、捕縛用の術、防御用の術と色々だ。
そして本当は、土のチャクラ質を持っていないナルトには、土遁ではなく、本人の適正に合わせた水遁か風遁を教えるべきだ。
出来るならば、師ミナトが思い描いて完成させる事が叶わなかったあの術を、娘であるナルトに完成させて欲しいと、カカシは心密かに願っている。
そしてきっと、ナルトならば完成される事が出来るに違いない。
何故ならナルトは、既にミナト考案の最高難易度かつ最強の術習得の第一段階である螺旋丸を、自力で習得してしまっているのだから。
だからこそ、ナルトには、風遁を極める事を目指して欲しい。
ミナトが目指していたのは、形態変化と性質変化を極めた術の融合で、ナルトにはミナトと同じ風のチャクラ質も宿っているのだから。
それに加えて、実はナルトは、複数のチャクラ質を生まれながらに併せ持つ、珍しいタイプの忍びだ。
複数のチャクラ質を生まれ持つ忍びは、後々優れた忍びとなる素質を秘めているが、反面、術の性質変化を苦手とし、性質変化を主体とする忍術の習得において、晩成型となる傾向が多い事が分かっている。
生まれながらに元から異なるチャクラ質を併せ持つが故に、異なるチャクラ質をそれぞれの特徴事に分けて発動させるという事ができず、術の効果が不安定になりやすいのだ。
それを可能とし、更には安定した二属性のチャクラ質の複合忍術を発動可能な忍の一族が、所謂血継限界と呼ばれる忍達でもある。
そしてナルトはうずまき一族の血を引いてはいるものの、そういった血継限界の血筋という訳ではない。
現にナルトは、性質変化を必要とする術の発動を苦手とし、時折おかしな効果の術を発動させている。
特に、ナルトは風のチャクラ質を単独で使用する事を苦手としていて、どうしても水のチャクラ質を混ぜ込んでしまうようなのだ。
その結果が、希少な氷遁発動という形になっているものの、組んでいる印は風遁の物であり、本来あるべき効果ではない事が明らかだ。
だからこそ、ナルトの事を思うのなら、風遁の修行をさせるべきだとは、カカシにも分かっている。
が、ナルトは実に生真面目で、常にコツコツと修行を続けている。
カカシが何か言わずとも、チャクラの流れを見ることが出来るサスケに助言を求め、安定しない術の効果を安定させようと必死になっていた。
だから、一枚の木の葉を与え、風のチャクラ質を使い、切れ目を入れる修行法をナルトに教えたのだが、まさか、ナルトよりも、ナルトがその修行法を教えたサスケの方が、先
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