その27
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考えて、あいつの事は気にしないで、これからもウチがウチとして生きてけるように、って。でも、ウチ、そんなことをされたら、よけいにあいつと一緒に居たくなった!あいつ、うずまきだし!ウチもうずまきだ!一族なんて、気が付いた時にはバラバラだったし、利用されるばっかりで、良い事なんて何もなかったけど、でも、ウチ、ナルトと一緒に居たい!ナルトの力になってみたい!ウチに、何ができるかなんて分からないけど、あいつにありがとうって、言って、あいつにもそういう風に言われるようになっててみたい!そしたら、それがナルトと一緒に生きてるって事だろ!?」
後から後から涙が出てきて止まらない。
きっと、こんな風に思ってるのがバレたら、きっと、うずまきナルトは怒ると思うけど。
でもきっと、ナルトは香燐の神様だ。
きっと、心から信用していい人間なのだと思う。
涙で上手く言葉にならないけれど、そんな気持ちを男にぶつけた。
突然泣き出した香燐に呆気に取られていた男は、眩しい物を見るように目を細めた。
「そうか。そうかもしれんのう。なるほどのう…」
何か考え込むように顎を擦り、男は香燐に訊ねてきた。
いつの間にか、香燐を脅しつけるような雰囲気は消えていた。
「ちなみにお主、どの様にして木の葉で暮らしたい?」
草隠れに売られる前に、優しくしてくれた一族の男達がしたように優しさの籠った声で問われ、香燐の耳にナルトの言葉が耳に蘇った。
木を隠すなら森の中。
確かに、香燐のチャクラを吸わせなくても、技術として誰かを治療する事ができるなら。
そしたら香燐は、もう、誰かの道具にならずに済み、命を削らずに済むかもしれない。
それはつまり、香燐は母と同じ末路は辿らないという事だ。
次々に込み上げてくるうずまきナルトへの感謝の気持ちと、とめどなく溢れてくる涙を、香燐は乱暴なしぐさで拭って、覚悟を持って顔をあげて男を睨み付けた。
自分がどう生きて、香燐の命をどう使うのか、少し覚悟を決めた。
人を簡単に道具にして、殺してしまえる忍になるのは、それは少し怖いけど。
でも、うずまきナルトが言ったように、人の命を助ける事の出来る医療忍者なら。
それになら。
「ウチは、今まで草隠れで医療忍者替わりの傷薬みたいにされてきた。それを知ったナルトが、ウチに医療忍者になれば良いって、ウチに言った。ウチ、今まで忍になる教育なんて、何一つ草ではされてなかったけど、でも、今までウチはずっと誰かの怪我を治して来た。だから、無理矢理道具みたいに利用されないなら、これからだって誰かの怪我は治したいって思う。だから、ナルトの言うように、医療忍者ってやつを目指してみたいって、そう思った。ウチに出来るかどうか、忍になれるかどうかも分からないけど」
「そうか…」
頑
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