その27
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か言ったかのう?」
うずまきナルトと綺麗な顔の男、確かサスケと呼ばれていた。
その二人の後見人だという目の前を歩く大男が、香燐の呟きを耳にして話し掛けてきた。
あの変わった二人の縁者なら、少しは信用してもいいのかもしれない。
でも、完全に信用しきる事は出来ない。
この男は忍だから。
でも。
「あの、うずまきナルトは…」
「ん?」
「うずまきナルトは、本当に、大丈夫、ですか…?」
恐る恐る訊ねた瞬間だった。
男が振り返り、ふっと優しく笑みを漏らした。
そして、破顔して揉みくちゃになる勢いで頭をなで回された。
「何を暗い顔をしておると思えば、ナルトの心配をしておったのか!良い子じゃのう!大丈夫!お主のお陰でナルトは持ち直した。傷が跡形もなくなったのをお主も見たであろう!いや、助かった。ワシからも礼を言う。あの子はちとワシに縁の有る子でのう。お主が居てくれて本当に助かった」
「え…あの、えっと…」
今まで一族以外の大人の男に、そんな風にされた事のなかった香燐は、戸惑った。
戸惑い、疑問に思った。
この男は一体何なんだろう、と。
この男も木の葉の忍の筈なのに、うずまきナルトから感じた不思議な感じが伝わってくる。
訳もなく、惹きつけられる。
「時に、お主。本当に草を抜けて木の葉に身を寄せる気か?」
そうして香燐が少し気を緩めかけた瞬間、人が良さそうな男の声音が、酷く硬い物に変わった。
纏う雰囲気も、その表情も。
今まで感じた事もない威圧に、香燐は、男が、香燐の出会ってきたどの忍よりも強くて怖い忍だとそう直感した。
だが、直前まで浮かべていた気の良さそうなさっきの笑顔も、この男の一面に違いない。
そして、この男と同じ木の葉の忍であるうずまきナルト。
香燐は、うずまきナルトに噛み付かせた傷痕を更に握りしめた。
この男に里抜けをする覚悟を問われ、試されているのを感じていた。
香燐は本当は、とても怖い。
今すぐ草からも木の葉からも、逃げだしたいと思わないでもない。
でも。
「あいつは、うずまきナルトは、この里の人柱力なんだろう?」
「お主、それを何処で!」
血相を変えた男が、愕然とした表情で香燐に詰め寄ってきた。
その勢いに驚き、焦りながら回想する。
そういえば、これは木の葉の重要機密だった。
うずまきナルトは恐らく、香燐に、木の葉においての己の立場を知らしめる為に、重要なこの情報を口にした筈。
今のは不用意に口を滑らせた香燐のミスだ。
焦りながら、香燐は何故自分がそれを知り、誰が教えたのかを考えることなく口を開いた。
「ウチは、あいつと同じうずまき一族の末裔だ。木の葉は、あいつと同じ血を引くウチを、欲しいって、そう思うって、うずまきナルトがそう言
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