その26
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近くにある木の葉の人間は居はしない。
しかも、ナルトもサスケも、里に執着らしい執着を抱いてはいない。
いや、むしろ、忌避感や悪感情を抱いていてもおかしくはないし、事実ナルトは抱いている。
サスケの方も、普段の振る舞い方を見るに、あまり期待はできないだろう。
うちはに対する里の感情は、ナルトに対する物同様、あまり、良いものではないのだから。
先行きが不安な結論に、思わず内心盛大な溜息を吐く。
「……それはなんとも、厄介ですね」
里にとっても、自分達にとっても、ナルトや、サスケにとってもだ。
そんな様々な事に対する感想を、一言に込めてカカシは漏らした。
それを黙って聞いていたヒルゼンは、暫し瞳を閉じ、黙考し始めた。
そして、意を決したように顔つきを改め、口を開いてきた。
「カカシよ。これは、ナルトとサスケの双方を抱える担当上忍で有る事と、四代目火影の教えを受けたお前を見込んで打ち明ける極秘情報じゃ」
机の上に肘を付き、組んだ手で半ば顔を隠したヒルゼンの、重苦しい重厚な佇まいに、カカシも意を決する。
そして打ち明けられた情報は、到底信じがたいものだった。
「可能性の段階に過ぎんのだが、うちはマダラが生きておるのやもしれん」
「え」
ヒルゼンの言葉の余りの突拍子の無さに、カカシは思わず声を漏らした。
カカシの戸惑いを気にした風もなく、ヒルゼンは続けていく。
「十二年前の四代目の死と、九尾の襲来の影には、そのマダラを名乗る写輪眼を持つ者の影があるのだ」
「は!?」
「そして、ダンゾウは、実は初代様たちが未だ健在だったあの頃から、マダラの写輪眼によって支配されておったのかもしれん可能性が、今になって浮上して来たのじゃ」
「何ですって!?」
それは聞き捨てならない情報だった。
もしもそれが本当なら、木の葉の暗部は長年敵によって支配されていたと同義にもなる。
すなわち、今の木の葉は敵に支配されているも同然と言える。
捨て置く訳にはいかない重大な疑惑だった。
カカシの背に冷たい汗が伝っていく。
里の崩壊を目の当たりにしているような気がした。
「強硬に事を進めるダンゾウの行動の裏には、里と忍界全体に不和を招いて戦を起こさんとするマダラの意志が存在しておったのかもしれんのじゃ。少なくとも、イタチはナルトの助言によってそう結論し、うちはマダラを名乗る写輪眼を持つ正体不明の敵を探るべく、単身奴等の組織に身をやつした。それがあの事件の真相じゃ。あの惨劇は、ダンゾウが出した条件を隠れ蓑に、イタチが里を離れ、里の為に敵の組織に潜入する為の物だったのじゃ」
悩み、疲れ果てた体で、ヒルゼンは老いた顔を伏せた。
「ワシはそうそう奴がマダラの支配下に置かれる筈がないと信じてはいる。だ
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