一章 薬師とか穢れとか
四話 可愛い子には旅をさせよと言うけれどそれよりも手元でひたすらに愛でたい。
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う味があるかわからないけど…」
ふむふむなるほど。ええ、なるほどなるほど。わかりましたよ。ええ。はい…
「料理をなめんなぁあああああああ!!」
「きゃっ」
そこで私は勢い良く立ち上がった。それにびっくりした永琳が小さく悲鳴を上げる。人間である永琳を脅かしたからか少し妖力を得たとか、こういうときだけ年相応の少女なのが可愛いとか、そんなことはどうでもいい!
「台所借りるね!」
「ち、ちょっとどうしたのよ儚!?」
恐らく彼女の今まではこれでよかったのだろう。
だがしかしっ!!人間として食事をないがしろにするのは許せないっ!!私は元人間だけども!!
「美味しい…」
味噌汁をのんだ永琳がそう呟く。
「でしょ?人間ちゃんとした料理を食べないと性根が曲がっちゃうよ。」
「妖怪に言われるのは何か解せないわ…」
本日のメニューは和洋折衷な肉料理になった。幸いたくさんの材料が永琳家には保管されていたのでなんとか無事完成した。
「意外。こういうことは細かいのね。」
「まあ昔からの趣味みたいなものだよ。」
生前は半分一人暮らしみたいだったので良く自炊したものである。
「大体あんなので済ませてる永琳の気がしれないよ。」
「しょうがないじゃない。薬は作れても料理は作れないのよ。」
少し不満げにそう言う永琳。にしても限度ってものがあるんじゃ無いだろうか…
普段は大人びていてたまに何処と無く抜けていると思っていたが、訂正。結構大事な部分が抜けているようだ。永琳ちゃん実は人間じゃないじゃないか…
「それにしても本当に妖怪っぽくないわね。」
「確かに永琳のがよっぽど妖怪みたいかもしれないね。」
「余計なお世話よ。」
そんな感じでゆるりとした食卓の時を過ごしたのだった。
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