一章 薬師とか穢れとか
四話 可愛い子には旅をさせよと言うけれどそれよりも手元でひたすらに愛でたい。
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里は栄えているらしく予想よりかなり広かった。歩くのが非常に疲れる。でも…
「あら永琳ちゃんに…お友達?お人形みたいな子だね。薬ありがとうね。これで畑仕事ができるわ。」
「本当にありがとうございます…!これでおっかさんが楽になります…!」
などなど感謝の言葉を抱えきれないほどもらった。もちろん私自身も悪くない気持ちだったが、それよりもその言葉を嬉しそうに、そして少し気恥ずかしそうに受け取る永琳を見るのが楽しかったのだった。
用事を終え永琳宅に帰ってきた私達。日はもうほとんど暮れて薄っすらと星が見え始めていた。
「いやぁいい仕事をしたよ。うん。」
そう行って床の上に大の字で寝転がる私。少しヒンヤリしつつ温かみのある木の床が心地よい。
「…貴方いつまでここに居すわる気?」
そう永琳が言う。うーん。あんまり考えてなかったけどどうしようかなぁ。…よし。
「私が飽きるまで!」
「…はぁそう言うと思ったわ。」
ため息と共に頭を抱える永琳。どうせ今妖怪の集落に戻っても暇をもてあますだけだし。
「ってことで永琳これからよろしくね。」
体を起こして永琳の方に手を差し出す。それを見た永琳は観念したのか呆れたように再度息を吐く。
「…仕方ないわね。ただし仕事は手伝ってくちょうだい。よろしく儚。」
そう言って永琳は私の手を握り返してくれたのだった。
「…ちょっと永琳。」
「?どうかしたの?」
現在夕飯時。私達二人は向かい合って食卓についている。向かい合う私たちは似た髪色のせいもあって少しだけ姉妹の様に見えた。当然私が姉だ。永琳に「儚お姉ちゃん」って呼ばれるのを想像して脳内でニヤケが止まらなくなった。いやそれは良いんだ。問題はない。それよりも食卓に乗っている料理に問題があった。
「これ…何?」
「何って夕食よ。要らないの?ちゃんと栄養のバランスも考えてあるのよ。…ああ、でも妖怪は食べなくても大丈夫だったわね。」
いやいやそう言うことじゃなくて…
そもそもそれは料理と呼べるような物じゃなかった。まずご飯。これは一応炊いてある。何も付いてないがそれはまだいい。しかしその隣に無造作に並べられている草と肉片が解せない。
「…どうやって食べるのこれ?」
「これを使って頂戴。」
そう言って永琳に細長い瓶を渡された。まるで前世のときに見た試験管みたいなやつ。
「なにこれ。」
「それは青椒肉絲チンジャオロースの味になる薬よ。他の味が良いかしら?妖怪に合
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