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東方死人録
一章 薬師とか穢れとか
四話 可愛い子には旅をさせよと言うけれどそれよりも手元でひたすらに愛でたい。
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「貴方変な妖怪ね。」

「よく言われる。」

そう言って二人で森を歩きながら会話する。

「しかし、永琳も無謀なことするね〜薬草採集するために独りで森に来るとか。自殺行為じゃない?」

「もう言わないでちょーだい。今は反省してるわ。」

永琳は森で薬草を採集するのが目的だった。薬を作るのが得意らしい。若いのに大した物だこと。

「あなただってそんなに変わらないでしょ。」

「いやいや多分永琳の三倍くらいは生きてるよ。」

「…本当妖怪って理不尽ね。」

呆れて溜め息をつく永琳。いやいやこれでも若い方なんだよ?

「まあいいわ。それよりそろそろ人里に着くわよ。…本当に大丈夫なのよね?」

永琳が心配しているのは街を見回っている妖怪退治屋のことだった。曰わく妖怪が人里に入ってきたなら速攻で抹殺するらしい。

「大丈夫大丈夫。気づかれないって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とかなったわね…」

「でしょ?」

永琳御用達の裏口から人里に入ったのだが、間の悪いことに私たちは直ぐに里を巡回する兵士に見つかった。

「永琳様、無事でしたか。…其方の方は?見たこと無い御方ですが…」

そう言って兵士は私に目を向ける。少し訝しげなのは恐らく私の容姿が珍しいからだろう。あれ、でも永琳も白髪じゃない?

「私の知り合いの娘なの。今まで余り外に出てきて無かったのよ。」

「そうでしたか。」

それではと言った兵士は見回りの仕事に戻っていったのだった。

「逆にこの里の警備が不安になるわ。」

「私が特別なだけだから大丈夫。」

そう私は例外だ。私は現在溢れる妖力を限りなくゼロに近づけている。こんなことする妖怪なんてまず居ない。メリットないし。つまり今の私は妖怪である証拠が一つもないのだ。見る人が見てもただの白髪桃紫目の少女。そりゃ刃物で切り裂かれたり火であぶられたりすれば話は別だけどそんなことを人里の中でやる酔狂な奴は居ないと思う。

「永琳様って呼ばれてたけど…もしかして永琳ってお嬢様?」

「そんなこと無いわ。」

少しうんざりとした感じに否定される。

「薬を作ったり治療したりしていたら少し敬われるようになっただけ。あんまり居心地は良くないんだけどね。」

「なるほどなるほど。」

十代そこらなのに大人達に敬われるのは少し歯がゆいのだろう。

「それにしても。随分閑散してない?これが普通?」

町並みは生前に博物館で見たジオラマみたいだった。確か奈良時代の集落だったきがする。数年前まで確かこの人里は縄文とか弥生とかそんな感じだった気がするんだけれど…この世界の人類は発展が
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