123 我慢
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倉がにやけた。
「なんだ、小倉?」
「学校の中じゃ危ねえんだ。外なら堀をボコボコにできるぜ!」
「ああ、いいね!」
阪手が賛成した。
「ただし、他の奴に告げ口させないように気を付けろよ。ウエッ」
「おう!」
全員の意見は纏まった。
藤木は学校の授業が終わるとスケート場へ向かった。
(久しぶりに堀さんに会うのは楽しみだな。全国大会の事とかその先の世界大会がカナダだって事も教えてあげよう!)
藤木は堀との再会に胸を躍らせた。
みどりと堀は泉野や保谷、日山、俣野、滝頭達と帰っていた。
「それで今日はですね、私と堀さんと二人でスケートしに行くんです!」
みどりは意気揚々と話した。
「それで、私の好きな人も一緒に滑るんです!」
「吉川さんに好きな人いたんだ」
日山が驚いた。みどりは堀と会うまでは学校に友達がいなかったのだから他の皆が気づかないのも当然である。
「そ、そうなんです。違う学校にいるんですけどね・・・。その人スケートが上手なんです」
「へえ、楽しめるといいわね!」
「はい!」
みどりが嬉しそうに言った。
堀は家に着くとスケートの準備を始めた。そして、みどりが来るのを待った。やがてみどりが迎えに来て二人はスケート場へ向かった。そして、後ろから声が掛けられた。
「よお、お前ら」
二人は振り向いた。その途端、恐怖を感じた。そこには榎像と新林がいた。
「な、何ですか!?」
「おめえらが何かしたからしばこうと思ってな!」
「『何か』じゃ分かりません!詳しく言ってください!」
「うるせえ!!『何か』は『何か』だよ!」
「ちょっと、おめえ、こっち来やぐぁりぇ!!」
新林が堀の手首を掴んだ。
「嫌!放して!」
「やめてください!」
みどりは新林の手をほどこうとした。
「邪魔すんな、コラ!」
榎像がみどりの顔面に拳を突きつけた。みどりは痛みで顔を抑えた。榎像が容赦なく殴り付けて来てみどりは堀と新林から離されてしまった。続いて榎像が堀のみぞおちを殴り付けた。堀がその場で踞た。二人は堀を連れて行こうとした。
「どこへ連れて行く気ですか!?」
みどりが追いかけた。
「ああ!?うりゅせえ、ついてくんじゃねえ!!」
新林が目玉をギョロギョロさせて怒鳴った。榎像が目障りだと思ってみどりを殴り、塀に彼女の顔を叩きつけた。
「これ、誰かに言ってみろ!ただじゃおかねえからな!」
榎像はそう言って去った。みどりは堀が連れて行かれてこれまでにない恐怖を覚えた。
(堀さんが・・・。どうしましょう!?)
みどりはどうすればいいか右往左往した。ここで誰かに言ったら自分もより酷い目に合わされる。しかし、堀は自分以上に醜い目に合っているだろう。このまま見捨てる事はできない。脅しか
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