ペルソナ3
1994話
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が、荒垣の性格を考えれば、自分のミスで天田の母親を殺してしまった事に、強い後悔を抱いてるのは間違いないだろう。
そもそも、そうでなければ巌戸台分寮から出ていくといった真似はしなかっただろうし。
さて、それでどうするか、だな。
正直なところ、最近は荒垣がいなければタルタロスを攻略出来ないという程ではない。
後衛のゆかりと、前衛のコロマル。
この1人と1匹の連携は、かなりスムーズになってきているのだから。
勿論、荒垣がいなくてもいいという訳ではない。
もし荒垣がいれば、より前衛は安定するだろう。
コロマルは前衛は前衛でも、どちらかといえば敵の攻撃を回避するタイプだ。
それに比べると、荒垣は敵の攻撃を防ぐといったタイプになる。
つまり、同じ前衛でもタイプが違うのだ。
であれば、当然荒垣がいた方が戦線の安定という意味では助かるのは間違いない。
だが……荒垣の目を見れば、そこにあるのは覚悟を決めた目だ。
それこそ、もしここで俺が駄目だと言っても、荒垣はどのような手段を使っても俺達の下から離れていくだろう。
元々俺達は殆ど成り行きで一緒に行動するようになったのだから、抜けたいというのであれば……抜けさせた方がいいか。
だが、もし天田に敵討ちをさせたいと思っているのであれば……さて、こっちはどうしたものか。
個人的には敵討ちとか復讐は否定しない。
だが……イクシールを使った荒垣が天田に復讐されて殺されるような事になると、それはそれで面白くない。
そんな訳で、取りあえず荒垣には釘を刺しておくとする。
「分かった。お前がそこまで言うんなら、これ以上止めても無駄だろうな」
その言葉に、荒垣が少しだけほっとしたのが分かる。だが……
「けど……」
続く一言で、荒垣の顔が再び緊張感を持つ。
「お前を助ける為に使ったイクシール。あれは、本当に貴重な代物で、それこそ日本円にすれば数億、もしくはそれ以上の値段がついてもおかしくない代物だ」
「……ああ」
俺の言葉に短く反応する荒垣。
実際、ネギま世界においてもそれだけの価値があると考えてもおかしくない品なのは間違いない。
ましてや、ネギま世界とは違うこの世界では、下手をすれば億単位ではなく兆単位の価値があると言われても、俺は不思議に思うような事はないだろう。
「そんな負債を抱えたお前が、天田に敵討ちとして殺されて、その億単位の価値のあるイクシールを使った意味が全くなかったなんて事にならないように、注意してくれよ?」
取りあえず、こうして念を押しておけばそう簡単に荒垣が仇討ちで殺されるような事もない……筈だ。
ここまで言っても、それを聞かないようであれば……それはもう、どうしようもないだろう。
「
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