第5章:幽世と魔導師
第149話「向かう場所は」
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「それに、他の妖の脅威がなくなったとは思えない」
「そうだね。霊力に惹かれてきた妖をどうにかする必要がある」
幸い、日本全体は今の所ピンチを脱した所だ。
警戒するのは戦闘になる地域だけでいいだろう。
「……それなら、司を含めた魔導師組は後方待機。いつでも出れるようにして、式姫の二人は戦闘の影響で現れる妖の相手……まぁ、露払いだな。で、葵は葵の偽物が現れたら相手を。それ以外は式姫の皆と同じで」
「……結局、一人で戦うのか?」
「そうなるな。いや、椿もいるから実質二人だけど」
神降し中は一人だからあながち間違っていないか。
「司なら、優輝の動きについて行けると思うが……」
「……そうだな。二対一なら……」
ジュエルシードをフル活用した身体強化を僕と司に使い、二対一で戦えば勝てる確率は最も高いだろう。……だが。
「……そうはいかないようね」
「何?」
「あたし特製のサーチャーなんだけど、見てみなよ」
葵が見せてきたその映像の存在により、その案は却下される。
「これ、は……!?」
「かつて、封印されていた名もなき龍。でも、その強さは尋常じゃないよ」
映像に映っているのは、黄土色の体に白い鬣の、利根龍神などと同じ系統の龍だ。
まだ眠っているらしく、動きは見られないが……。
「以前は、厳重に封印されていたんだけど、今はその封印がない状態よ」
「少なくとも、あたしやかやちゃんじゃ絶対勝てないね」
「葵がそういう程の強さか……」
今は眠っているから被害はないものの、その出現位置が問題だった。
そこは、瀬笈さんが示した大門の守護者がいる位置。
このまま戦えば、確実に余波で目覚める。
「司は、こっちに宛てるべきね。暴れ出したら、被害が途轍もない事になるわ」
「そうか……」
クロノは渋ったような顔をするが、それが妥当だ。
何せ……。
「……一体、何を相手にしているか分からないけど、こっちも時間の問題よ」
「……そうだな」
次に見せられた映像は、東京辺りの映像だった。
そこには、四体の妖が何者かを相手にしている映像だった。
「これらの妖は四神を模したものよ。その強さは他の妖に対して一線を画した強さよ。……そんな存在が一遍に相手しているのよ」
「これの恐ろしい所は、この四神たちは人の味方をしている事だね。そして、倒されるのも時間の問題」
「なっ……!?どういうことだ!?」
僕らが仮契約の儀式を済ませている間に、四神の存在は観測していたらしい。
だが、四神が人の味方をしているのはクロノは知らなかったようだ。
「考えてもみなさい。四神の相手は、濃密な瘴気を纏っ
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