第5章:幽世と魔導師
第149話「向かう場所は」
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仮契約を完了させ、戻る。
ちなみに、契約の際にこれからは以前の名である“山茶花”と名乗るそうだ。
「(そういえば、椿と葵が戻っていたな)」
契約をしている間に、索敵などをしていた椿たちが戻ってきていた。
念話と伝心で連絡があったから、今は皆といるはずだ。
「待たせたな」
皆がいる場所に戻って、僕はそういう。
戻ってきていた椿と葵が、僕の方に来る。
「っ……!?」
「っと、どうした葉月!?」
「あ、あ、貴女は……!」
その時、瀬笈さんが慄くように警戒心を露わにする。
シーサーさん改め、山茶花さんが驚く中、瀬笈さんが指さした方向は……。
「えっと……あたし?」
「葵……?」
まさかの、葵だった。
葵自身も戸惑っているし、どう言う事だ……?
「鞍馬さんは、鞍馬さんはどうしたんですか!?」
「え、鞍馬って……あの?」
瀬笈さんの驚き方は、“なぜここにいる”と言った感じだ。
そして、同行していた鞍馬という式姫の所在を問い詰めている。
……あぁ、なるほど……。
「二人を襲った式姫の姿をした存在……それが葵、つまり薔薇姫という式姫の姿をしていた訳なんだな?」
「……そう、です……」
「あー、そう言う事、かぁ……」
葵を警戒しながらも、僕の言葉に瀬笈さんは頷く。
葵も、今ので警戒される理由に納得したようだ。
「うーん、疑いを晴らすためには……あ、そうだ。椿、マスター権限」
「え?あ、記録を見せるのね。葵もいいかしら?」
「プライベートは晒さないでよ?」
今ここで言葉だけで説明しても、完全に信じれるとは限らない。
だけど、葵の場合は、葵だからこそできる事がある。
それは、デバイスとしての記録。
「マスター権限。えっと……どの時間帯がいいかしら?」
「瀬笈さんが襲われたのは大体深夜だから……0時から今までがいいんじゃないか?」
「そうね。0時から今までの情報展開」
「……Yes,Master」
デバイスとしての受け答えを葵は行い、勾玉の姿になって映像を投影する。
「一応、記録を見る限りは葵は関係ないが……」
「あの、ここまでしなくても……。今のやり取りで十分です」
「そうか?」
瀬笈さんがあっさり納得してくれたので、葵は元に戻る。
記録映像、ほんの少し見せて終わっちまったな。
「……私が襲われたのは、こちらの薔薇姫さんとは別の薔薇姫だと思います」
「そう考えるのが妥当ね」
「でも、そうだとしたらなんであたしなんだろう?」
葵の疑問は尤もだ。なぜ、葵の……薔薇姫の姿をしていたのだろうか。
「出会った
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