暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第149話「向かう場所は」
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なく理解したようだ。

「……あー、期待されている所悪いが、オレはあまり強くないぞ?むしろ、以前と比べて弱体化していると言っていい程だ」

「そ、そうなのか?」

「元々、大気中の霊力は昔の方が濃かったんだ。けど、霊術などの存在が表で信じられなくなるに連れ、その霊力も薄くなった結果、霊力を必要とする式姫の力は弱まっていった」

「……椿と葵から聞いてたのか」

「まぁね」

 シーサーさんが説明する前に、僕が先に説明する。

「もう一つ理由があるけど、それは……」

「……オレ達の主を、失ったからだな。主から供給される霊力がなくなれば、当然力も失う。燃費が悪い奴だと、そのまま幽世に還る奴もいた」

「こっちでの使い魔と同じようなものか……」

 言っていいのか迷ったが、今度はシーサーさんが率先して話してくれた。

「だから、供給を得るようになった椿や葵、蓮は強さをそれなりに取り戻している」

「……せっかくだから、シーサーさんも……」

「いや、オレはいい。霊術を扱えるのは、この場にいる数人だけだろう?見た感じ、これ以上の供給は戦闘時に支障を来す。それなら供給はなしでいい」

 ……確かに、シーサーさんの言う通りだ。
 僕も椿と葵でリソースはほとんど使っている。
 葵の場合は地力でも何とかなっているから負担は軽いが、それでも式姫二人は多い。
 忘れがちだが、椿は霊力保有量がずば抜けており、貯蓄してるからこその強さだ。
 アリサとすずかは単に経験不足と霊力量が問題だ。
 経験不足は霊力で何とか補っている状態なのに、それを崩す訳にはいかない。
 霊力が多いアリシアも、蓮さんでいっぱいいっぱいだ。

「あ……なら、私が……」

「瀬笈さんが?……いや、戦闘出来ないのなら適任か……」

「はい。どの道、このままでは足手纏いなので……。それなら、後方で待機して霊力を供給するだけでいいですし……」

「………」

 瀬笈さんの言い分にシーサーさんは少し考え込む。

「……分かった。供給だけを行う仮契約を頼む」

「分かりました。……と言っても、僕は仮契約の術式しか知らないので、本契約は出来ませんけどね」

 シーサーさんも、かつての主が忘れられないのだろう。
 本契約は避けるようだった。

「ちょっと別室で契約をしてくる」

「分かった。時間はあまりないから、急いでくれ」

「ああ」

 どうやら、シーサーさんは契約するための術式を覚えていないらしい。
 ……僕が覚えていてよかった。瀬笈さんも知らないらしいし。







「……よし」

「……さすがに違うな。これなら多少の強敵なら屠れる」

「お役に立ててよかったです」

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