これが漢の戦車道 F
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「ナオミちゃん。今度は10時10分、俯仰角プラマイゼロね」
チビガリはまた視界外行進間をやるつもりだ。
スポーツ刈りは黙ったまま、ガムをかみ続ける。
これもスポーツ刈りのミリセカンド以下の精密なトリガーさばきがあっての人外技なのだが。
そして、ミニツインテそばかすは、スマホ画面を見ているだけしかお仕事がない。
だが、それがいい。
アルファリーダーのKVは、わずか5分かそこらで僚車が3両食われていくのを見ていることしかできなかった。
しかし砂塵も晴れ、時速20キロで前進する知波単ジャンボウが姿を現した。
そいつはなぜか主砲を右45度に向けている。何か知らんがチャンスだ。
砲手、正面のジャンボウを撃て。とアルファリーダーが言おうとしたその時だった……。
げしっ、と音を立てて装弾筒付きの弾芯が砲塔のバズル、後ろ出っぱりに貼りついたのは。
砲塔後面は90mm75度。コサインはほとんど期待できない。
一方で特殊徹甲弾の方は、どう見積もっても貫徹力250mm以下にはならない。
当然撃破。
アルファリーダーのKVの車内3カ所に仕掛けられたスタングレネードが作動する。
彼らの視界は核爆発かと思われるくらいのまばゆい光で満たされ、そして自然界ではありえない、170デシベルぐらいの轟音が鳴りひびく。合掌……。
同時に、知波単ジャンボウでは、西が最後のKVに抜き撃ちよろしく引導を渡していた。
最後のKVにしかけてあった罰ゲームは、野生熊撃退用とうがらしスプレーだった……。
悪魔組3両は進路を変更、蝗に向かって行ったシャーマンたちは放置して、
お化けあんこうの援軍に向かっていく。
小娘悪魔は言う。
「シャーマンたった4両始末できないような低レベルに、私がやられるわけないわ」
そろそろ観客も、ただ喜んでばかりもいられなくなった。
なにしろ、連中の3割は「KV5両生存」に賭けていたのだから。
そして全滅する方に賭けていた奴は、ほとんどいない。
ついに歓声に、「八百長かよ!」という怒号が混じりはじめる。
負けが確定した戦車券が、空中に放り投げられる。
しかし、彼らも帰ろうとはしない。
勝負としてなら面白くなってきたからだった。
さて、こちらはシャーマン4両丸投げされた蝗の車内。
「距離二千に来たらいつ撃ってもいいぞ。逸見」
目つきの悪い失敗ブ○ッコの脳みそ筋肉が、装てん手の赤星というモブ娘から渡された
一発25kgのアハトアハトマグナムを4発まとめて右わきに抱え、無表情で突っ立っている。
石器時代の勇者は、これを左腕だけでガンガン装てんするつもりのようだ。
人間自
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