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嗤うせぇるすガキども
これが漢の戦車道 F
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ーン経由で撃破されたKVの地獄絵図画像を見た鹿次の叫びが響いた。
 皆が必死にお化けあんこうと戦っているときに。

「何とはなんだよ。新入り」

 手持ちぶさたの元プロ装てん手が親切に教えてくれるようだ。哀れな新入りに。

「撃破されたら機能停止の上で、白旗が揚がるだけでしょうがぁ!」
「どこまでも馬鹿だなぁ。
 野郎側が撃破されたら、被害を再現するために乗員は気絶覚悟の罰ゲームだろうが。
 知らねーのかテメー」
「白旗白旗白旗……」
「……。
 あのな、撃破されたら白旗シュポッ! なんてヌルい演出が許されるのって女子までだよね。
 つー世界なんだよ、戦車道ってものはな。
 負けた男が白旗だけで許されるなんて、どこの誰が得するんだ?」
「俺が得しま……」

 そう言おうとした鹿次の顔面に、シートの上からローダー様のキックが炸裂。

「バカ野郎が。
 俺たちはな、お客様を楽しませてナンボだ。
 この戦車にもえげつねえ仕掛けがあるから、腹くくって覚悟しておけ」

 いやだそんなのいやだぁー。と叫びたくなった鹿次だったが、装てん手の鬼のような形相を見て、かろうじて踏みとどまった。
 その間にも、男たちの地獄は続く。






「ガキンチョがー!! ぶっ殺す」

 僚車を襲った悲劇にブチ切れたKVが2両、右旋回して横腹を見せたA41に主砲を向ける。
 たかがガキの乗った戦車に舐められた。それが彼らから冷静さを奪った。
 ジャンボウは左にいた方が進路変更、いや、操縦をしくじったのか尻を振ってスピン。
 右のジャンボウは、速度を保ったまま、芸のない前進をするだけ。
 KVの残り2両は、スピンした方が止まると思い、そいつに狙いを定める。

「甘いですわぁ!」

 同じ馬力でもダウンサイジング化したターボエンジンに換装したジャンボウは尻が軽い。
 どがつくくらいのオーバーステア。
 スピンターン大好きの誰かさんは、一気に逆のスピンターンを決めて上機嫌だ。
 砂けむりが舞い上がる。
 その視界ゼロの向こう側、知波単ジャンボウの砲手席にいた変形ぱっつんは、迷うこともなくトリガーボタンを踏む。弾種は高速。
 76.2mmの高速弾は砲身寿命を縮めるが、この戦車は盗品、もとい他人のだ。
 それに、平行ボアサイトに調整してあった照準器も、チハでやっている「一点ボアサイト」にわざわざ変えてある。照準軸線と砲腔軸線が一致する距離は400m。チハの主戦距離だ。
 なぜかというと、そこから先はチハの場合「神様だけが知る世界」だから。
(※ もっとも旧日本陸軍でも照準眼鏡の距離計を見る限り「平行ボアサイト」で調整していたように思われる。照準軸線と砲腔軸線は本来なら整備兵が使う治具で測定するが、そ
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