これが漢の戦車道 D
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南北8kmの、普通の市町村が入ってしまうレベルの戦場だ。
だが、絶対にうしろをとられない方法がある」
戦争親父は、別に盗聴を恐れているわけでもないのだろうが、まずKVの車長たちを集め、彼らの耳元で、ひそひそ声で内緒話をはじめた。
これは結果オーライだった。
なぜなら、この部屋にはそばかすが仕掛けた、コンセントに見せかけた盗聴器があったから。
「すみません。悟られました」
「だから元々あてにはしていない」
女子のミーティングルームでは、やっぱりそばかすはそばかすだと思われていた。
しかし、敵がこちらをまったく過小評価していないことは理解できた。
小娘悪魔が少佐カットに言う。
「すべての作戦計画は、あなたがここで立てておきなさい。
そしてそれをテキストファイルにして番号を振り、そちらの通信士のスマホに保存。
他のスマホに赤外線で送っておいて。できる?」
黙ってうなずく少佐カット。
すぐに彼女のチームの通信士を呼ぶ。
競技場全体の地形図を広げ、各車ごとに行動計画を文書と画像で記録させ、フォルダにまとめてほうり込む。
しかし、ハム二級の音速打ちでも時間がないので、作戦は簡単なものにならざるをえなかった。
そして小娘悪魔は、少佐カットの姉に因果を含める。
「あなたは妹さんのそばにいなさい。あなたを使いこなしてくれるわ。
『戦争親父』は、妹さんと同じインファイター。わかるわね」
小娘悪魔は、よく知っていた。この二人を混ぜると危険だと。
だてに「姉妹合体ブレイザーカノン」にやられたわけではない。
転んでもただで起きないのは、悪魔もいっしょだ。
男子側ミーティングルームでは、戦争親父が即決で決めた作戦を全員が理解し、ブリーフィングを終えて、全員がくつろいでいる。
戦争親父は、最後に鹿次を呼び、持っている小さな段ボール箱の中身を見せる。
「おやっつあん。これって……」
「別に戦車道規則で禁止されている訳じゃないし、ここは禁止区域でもない。
もちろん使えるよな」
戦争親父は鹿次に、その段ボール箱を中身ごと渡した。
「各車の通信も、全部俺に集約させる。
お前が操作している間は、通信は放っておけ。
今回は索敵情報が生命線だ。あいつらはすでに女じゃねえ。
せめて戦車のティアさえ制限無しなら、パーシング10両にしたいくらいだ」
たしかに、鹿次のいた世界では、あの連中は世界ユースでさえ優勝が狙えるだろうが、野郎が戦車に乗っていいこの世界で通用するとは思えない。
いままでの経験から、鹿次はそう思っている。
それよりもあの悪魔コンビは、いったい何をたくらんでいるのだろうか。
鹿次には
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