これが漢の戦車道 B
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社長をともなって皆の前に姿を現した。
「お前ら、今日は社長からありがたい話を聞いた。
つきの興業はスペシャルマッチだそうだ」
梵野社長が、その話の続きを語る。
「つまり、胴元さんたちから一方的すぎて波乱がないから、女子プロ二軍補欠の選手たちと戦わせてみたらどうか、というオファーがありましてね。
殲滅戦で、制限時間は特別に6時間。賞金は3倍ですが負けたら罰金1チーム百万円です。
一応この話につきましては、拒否することもできます。
で、どうでしょう皆さん。やってみますか?」
当然常勝無敗のホラー号のクルーに、否はなかった。
むしろ「二軍の補欠? 歯ごたえねーじゃんか」とか思っていた。
もちろん鹿次も……。
ついに、そのスペシャルマッチの開催日がやってきた。
会場はC県F市のN山コロシアム。格式はT1。
テレビ中継付きであり、勝戦車投票券は日本全国で購入できることとなった。
賞金3倍。それだけで鹿次の胸は高鳴る。
ホラー号の面々は、意気揚々と愛車とともにパドックにのぞむ。
「どんな連中かな? すこしは骨のあるヤツらならいいが」
鹿次も言うようになっている。
しかし、そんな余裕ぶっこきの態度は、相手チームの面々を見たとたんどっかに消える。
「あ〜〜〜〜〜〜っ!」
しかし鹿次は、その続きを言うことができなかった。
『Be quiet』
そんな声が頭の中に響いた瞬間、鹿次は声を発することができなくなった。
必死に口をぱくぱくさせる鹿次だったが……。
「お前、何やってんだ?」
戦争親父には、鹿次が何に焦っているのかまったく分からなかった。
(つづく)
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