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嗤うせぇるすガキども
これが漢の戦車道 B
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 1,000mまで進出した。もう掩護はいいぞ』
「だとよ。全員これからお昼寝タイムだ」

 そして、ホラー号は全員そろって、いや、鹿次をのぞいて居眠りを始めてしまった。
 鹿次はひとり、気が気ではなかった。

「本当に、大丈夫かよ」

 まあ、戦度胸の問題だろう。
 もう見切っているといってもいいかもしれない。
 それにすでに彼らは敵軍の半分を食っている。






「よーし。これで終わりだな。
 弾種高速。目標マチルダU!」

 2両のシャーマンは高速撤甲弾を、ラム巡航戦車は6ポンド用特殊徹甲弾を装てんする。
 狙うは、3両のマチルダU。スチュアートはアウト・オブ・眼中だ。

「これじゃ射的遊びでしかねーな」

 砲手たちはみな、1,000mなら直径2mの円の中に当てることができる連中ばかりだ。
 そしてシャーマンでも2ポンドくらいの豆鉄砲は防ぐことができる。
 可哀想なシャーマンは同時期にティーガーがいたことと、指揮官に恵まれなかったせいで「ザコ兵器やられメカ」の代名詞になってしまったが、エイブラムズのような優秀な将軍に率いられれば、数を武器にドイツ戦車をタコ殴りにもできるのだ。
 ……そんな装甲指揮官は、エイブラムスしかいなかったというだけの話だ。
 いま、彼が理想と思ったろうアメリカ戦車に、彼の名前がついている。
 その戦車は砂漠からわらわら湧いてきたT-72Mという粗悪兵器を、まるでティーガーの再来のようにボコボコにたたきのめしたのだった。
 
 彼我の距離が1,000mを切ったところで、3両の中戦車は昼飯の角度で停止した。
 ウスノロのマチルダUがいくらのそのそ回避運動をしていても、偏差射撃の必要もない。
 砲手たちは車体の動揺がおさまるのを待って、一呼吸おいてから一斉に撃った。
 3両のマチルダUが瞬殺され、T-50が満を持して2両の絶賛パニック中のM5A1に襲いかかる。
 そしておいしくいただこうとする直前に、主審のホイッスルが鳴りひびく。
 時間切れだ。
 T-50は、まったく戦果なしになってしまった。合掌。



 今日のファイトマネーは参加均等割10万円+戦果賞金の配当になった。
 重戦車1両、巡航戦車4両を食ったホラー号は、チーム賞金500万円となる。

 戦争親父が、日本中央競戦車会の競技用事務所から、賞金の入った封筒を持って帰ってきた。
 初めての賞金に、わくわくを押さえきれない鹿次。
 戦争親父がまず自分の分の金を懐に入れ、順繰りに僚友たちに賞金の分け前をわたす。
 そしてなぜか、鹿次には一銭もくれなかった。

「車長。俺の分の賞金は?」
「お前はなぜか賞金が差し押さえになっている。
 まず半額の5万円が、そっちに供託され
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