【義理チョコと蕎麦打ち返し】
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「ネジ兄さま、これ……あげる。義理だけど」
従兄のネジを日向家の裏庭に呼び出して、特に何とも思ってない風を装い、つと四角いシンプルな小箱を差し出すハナビ。
「要りません」
無表情で余りにもきっぱりとネジに断わられ、ハナビは唖然とする。
「えっ、ちょっと、いきなりそれないでしょ! 一応手作り……」
「今朝、何故か俺宛てに大量のチョコやらクッキーが届きまして……、迷惑なのでこれ以上要りません」
しかめっ面でハナビから顔を逸らすネジ。
「あ、そゆこと……。よかったじゃないモテモテで。ネジ兄さま上忍で優秀だし美形だもんねー」
「下らない……。そんな事はどうでもいいんです」
ネジは仏頂面のまま目を閉じて溜め息をつく。
「で? どうするの、その大量のチョコやクッキー……、一人じゃ食べきれないよねぇ」
「他の奴らにくれてやりますよ、俺は食べる気ないので」
至極どうでもよさげなネジに、段々と腹が立ってくるハナビ。
「うわっ、ヒドいことするよねぇ。くれた子達のこと少しは考えなよ! 送られて来た中に、ヒナタ姉さまの手作りとか入ってたらどうするわけっ?」
「……有り得ませんよ」
従兄の素っ気ない態度がどうもハナビは気に食わない。
「ふーん、まぁいいけど。……えいっ」
「───?」
四角い小箱から手作りの丸いチョコをひとつ取り出し、ハナビが投げて寄越してきたのでネジは片手でキャッチした。
「はい、ナイスキャッチー! ……せっかく作ったんだし、1個くらい食べてよ」
「仕方ないですね……」
一口大の丸いチョコを半ばヤケになって口の中に放り込むネジ。
「?───」
少しの間仏頂面でもぐもぐしていたが、急にサッと背を向けて微かに震え出す。
「あー、ひょっとして美味しすぎて震えちゃってるっ? もっと食べる〜? ネジ兄さまってあんまり甘いの得意じゃなさそうだから、辛い調味料とか色々入れてみたんだけど!」
ハナビに悪気があったわけではないらしいが、ネジは背を向けたまま何も言葉を返さない。
「あれ、おかしいなぁ……もしかして辛すぎたっ? わたしが味見した時は大丈夫だったと思うんだけど……。ご、ごめんね、ネジ兄さまっ」
「──いえ……これはこれで、癖になる味のような気もしますが……」
「ほ、ほんと? 無理しなくていいんだからね……って、大丈夫っ?」
背を向けている従兄の顔色を伺おうとハナビが近寄って覗き見ると、口元を覆ったまま眉根を寄せてネジは涙目になっていた。……ハナビは一瞬それを見て吹き出しそうになったが我慢した。
「あー、ほんとにごめんね兄さま……。残りは責任持って自
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