16 人生は、とっさの判断と重要な選択の繰り返しである。
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その試合をじっと見ていた高杉は、麗奈に話しかけた。
_「で?こうなることは予知してたのかァ?」
一拍おいて麗奈が口を開いた。
_「いいえ、むしろ当然神威が勝つ、と思っていましたが。まさかお姉様が勝つとは。まだまだ甘く見れたもんじゃないですわね。さすが私の双子の姉。」
いつの間にか近くにいた万斉が口を開く。
_「で?主のことでござる。まだ零杏を諦めた訳ではないでござろう?」
_「ええ。当たり前ですわ。私は、何の手を尽くしてでも、王の座に挑みます。」
辺りに吹き始めた夜風に、麗奈の髪が揺れる。漆黒の色をした髪がまた、その禍々しさを醸し出す。
麗奈の目が赤く光った。
_「計画を練り直さねばなりません。もっと愚劣で汚い手を使って…彼女の全てを粉々に砕くような、そんな手を使って。」
少し遅れて、神威が来た。
_「ごめんネ、負けちゃったヨ。折角のチャンスだったのにネ。」
だが、麗奈は気にしていない。
_「いいわ、私は屋敷に戻る。あなたたちはホグワーツにお戻りなさいな。」
お付きのものたちを従えて、姿を消した。
***
皆で支えあいながらホグワーツへ無事に戻ってきた私たちは、まず校長室に向かう。
_「グリフィンドール三年、零杏です。只今戻りました。」
_「お入りなさい。」
皆で校長室に入る。
_「ということは、零杏が勝ったのですね?」
_「はい。とても疲れました。」
_「そうですか。では、皆は今日はゆっくり休みなさい。必要ならば、明日の授業は休んでも構いません。公欠とします。」
_「ありがとうございます。」
皆で、寮に戻った。
寮の前で別れた。
私たちは、神楽ちゃんを銀時と一緒に抱えて寮の中に入る。神楽ちゃんをベッドに運び、縁に座る。神楽ちゃんはまだ、眠ったままだ。今なら間に合うか…?
伝説の双子のうち、天使族の方のものの流す涙には治癒力がある、と言われている。やってみるか。
眠ったままの神楽の首筋に空いた穴に涙を垂らす。すると、みるみるうちに傷が塞がっていった。傷が塞がった、ということは神楽ちゃんの悪魔族化は、回避できたということだろうか?
とりあえず、保健室に向かう。
保健室に着き、担当の先生に今回の一件を報告すると、先生はなるほど、と言って神楽ちゃんをベッドに運んだ。そして、何か液体を飲ませた。
_「神楽ちゃんは、無事なのですか?」
_「はい、きっと。正確にはまだ、きっちり調べてからしか言うことはできませんが。」
あの時、何がなんでも神楽ちゃんを助ければ
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