今日も空は青かった(前編)
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そうだろうな。
10日で1割なら、あっという間に数千倍の雪だるまだけど、もう街金からしか借りられない人は、救命ロープにならない首つりロープに手を伸ばす。
「もっとも、10日目に利息だけ払ろうてもろて、『ジャンプ』することもできまっせ」
この人の決まり文句だね。
それでも100万円。でも複利計算だろうがジャンプはしない。踏み倒すつもりだから。
この人でも『あの世』までは追跡できないのは知っている。
「……」
ん? この人何か考え込んでる。
「……んーっ。と言いたいところなんやけど、あんさん見てたら1年365日で一割でも
ええような気がしてきたわ」
は? こんな意味不明なサービスする人じゃないはずなんだけどな。
これも「悪魔補正」なんだろうか。
「ほな、一年後にな。あんじょうよろしくごひいきにー」
そう言うと彼は席を立つときに、なんと勘定書までもっていってしまった。
しかも、ちゃんとレジで払ってる。
鬼と言われる街金に、おごってもらってしまうなんて……。
それからはもう大変だった。
まず「R○○AP」に連れて行かれ、3ヶ月のいっちゃんキツいコースを契約。
そして、少年悪魔が買ってきた各種参考書に問題集に有名大学の過去問。
女の子悪魔が買ってきた、全身美容グッズエトセトラ……。
その上で、偏差値計測範囲以下の人を半年でけー大に送り込んだ講師。
極端空手の師範代様。
芸能人御用達のスタイリスト。なんて方々から個人授業を受けられるとか……。
『3ヶ月目がひとつのめどね。それまでには結果が出るわね』
……それは無理だろう。僕は悪魔でもなく超人でもない。
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