今日も空は青かった(前編)
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だんどおり正門からでて、海沿いを走るローカル電車に乗って家に帰って、
……エロ漫画誌でも読むか。同人はいらない。高い上に並んでまで買うものじゃない。
そうして僕は正門からでたはずだった。
門から出たら、なぜかそこは真っ暗闇。
そこに、僕だけがいる。
『やあ、初めまして』
向こう側から、人影がふたつやってくる。
一人は外人の、10歳ぐらいの男子児童。時代がかった服装をしている。
もう一人は……黒い角に黒い羽根、黒いしっぽの13歳ぐらいの女の子。
こういうコスプレをするとかわいいね。
……なんて現実逃避はやめておこう。はっきりと悪魔だね。
しっぽが動いている。
『あんた、さっきの女の子たちが話していたことが、自分の現実になるとしたらどう?』
そして、魂をわたす契約をしようって勧誘するんでしょ。
「くどい話は嫌だから、ざっくり聞くね。
君たちと契約して、君たちにわたった魂は、そのあとどうなるの?」
そういうリアクションは期待してなかったらしく、二人は顔を見あわせる。
「真っ正直に悪魔でございます。なんて登場の仕方しないで天使にでも化けた方が……」
『いまどきは人間の方が悪魔より悪くてずるがしこいから、「そんな都合のいい話があるか」といわれておしまいよ。
だったら初めから正々堂々悪魔で通した方が、まだ信じてもらえるわね』
あーあ。人間もそこまで落ちたか。
悪質商法に振り込め詐欺、どこに悪い奴がいるかわからない。
お金で貞操を売っている女の人の将来の夢が、「お嫁さん」なんだからね。
「で、君たちに買われた魂の末路なんだけど」
『そりゃ、やっぱり地獄行きだね。そのために僕らは勧誘してるんだから』
まあ、少年の言うとおりなんだろうな。
でもそれならば、ここで勧誘をけ飛ばしたら、なにかいいことがあるんだろうか。
「ことわったら?」
『あなたはとくに善行を積んでるわけでもなく、身を犠牲にして人を救ってもいないし、信心深いわけでもないから、やっぱり地獄行きね。
何もしない、というのは悪事を働くのと変わらないのよ。
あなたたち人間は、毎日他の命を犠牲にして生きてるんだから』
うん、みんなひとしく地獄行きじゃないですか。
神様はやっぱり公平なのかもしれない。
呪った僕に、こうやって悪魔を差し向けるぐらいなんだし。
「だったらさっさと契約書を出してよ。
僕は回りくどいことが嫌いなんだ」
『契約期間はきっちり1年だ。そのあいだ僕たちが君をブーストする。
君が僕たちの指導にしたがって行動してもなお願望が叶わなかった場合は、契約不履行で解約してもよろしい。クーリングオフ期間は8日間と
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