暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1992話
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てか、荒垣は俺が買ってきた見舞いの果物の盛り合わせが、かなり高価な果物である事に気が付いたのだろう。少し驚いた様子でバスケットに入っている果物を見ている。

「少し奮発した。結構美味そうだろ? 後で食えるようになったら食ってくれ。もっとも、悪くなるようなら俺が食うけど」

 というか、夏が旬の果物だけに、是非この機会に食ってみたい。
 勿論この果物の詰め合わせを買ったように、普通に買おうと思えば買えるんだろうが……ただ、何となくそういう気分にならなかったんだよな。
 この果物程高価ではないにしろ、マンゴーとかはスーパーとかでも普通に売っている。
 買おうと思えば、買えるんだが……何故かそういう気分にならないのだ。
 そんな訳で、今回は丁度いい機会だと思って、そう言ったのだが……

「アクセル、悪いがそういう話は後にしてくれ。今はもっと重要な話をしているんだ」

 真剣な表情で、真田が俺に視線を向けてくる。
 さっきの怒鳴り声もそうだが、どうやら随分と腹に据えかねる事があったらしい。

「落ち着け。ここがどこか忘れたのか? 病院だぞ? 幸いここは1人部屋だから問題ないが、それでも廊下を誰も通らないって訳じゃないんだ。実際、さっきの怒鳴り声も外に聞こえてたしな」
「ぐ……そうだな。それは俺が悪かった」

 謝る真田だったが、それはとてもではないが怒鳴った事を謝っているのであって、荒垣に対して怒りを抱いているのを謝った訳ではないらしい。

「で? 何だってそんなに怒ってるんだ? 美鶴も怒っているところを見ると、どうやら真田の勘違いって訳じゃなさそうだが」

 視線を向けて美鶴に尋ねると、美鶴は苦々しげな様子で口を開く。

「荒垣は、制御剤を飲んでいた。それが、倒れた原因だ」

 そう、告げるのだった。
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