ペルソナ3
1992話
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か、文句を言われそうな気がするのだが。
その場合は俺が食ってもいい……とは、この場合は言えないよな。
ともあれ、俺はその果物の詰め合わせを買ってゆかりと共に病室に向かう。
荒垣が入院している部屋がどこにあるのかというのは、以前から何度もお見舞いに来て知っているので、特に迷う事もなくその部屋の前に到着し……
『この、馬鹿野郎がっ!』
扉をノックしようとした瞬間、部屋の中からそんな怒声が飛び込んできた。
扉を叩こうとした寸前で拳を止め……どうする? とゆかりに視線を向ける。
そんな俺の視線に、ゆかりは黙って首を横に振る。
それがもう帰ろうと言ってるのか、ここで躊躇してもしかたないと言ってるのか、その辺りは迷ったが、病室の中から聞こえてきたのが真田の声だった事もあり、そのままノックする事にする。
「誰だ?」
聞こえてきたのは、美鶴の声。
部屋の中の気配から察するに、美鶴と真田、荒垣の3人だけがいるらしい。
「俺だ。真田の声が部屋の外まで聞こえてきたぞ。何か取り込んでるなら、もう少し時間を潰してくるけど。どうする?」
時間を潰すなら、詰め合わせの中に入っている果物を幾つか食べてもいいか。
そんな風に考えながら病室の中に声を掛けるが、戻ってきたのは入ってもいいという美鶴の声だった。残念。
ともあれ、扉を開けて病室の中に入ると、点滴をしている状態の荒垣がベッドに寝ていて、その脇に美鶴と真田の姿がある。
先程怒鳴り声を響かせた真田だけではなく、美鶴までもが怒ってるように見えるという事は……荒垣が何か馬鹿な真似でもしたのだろう。
「荒垣が目覚めたって聞いてやって来たんだが……俺にそれを教えてくれた美鶴はともかく、真田は随分と早いな」
「……俺も見舞いに来ていたからな」
なるほど。美鶴が俺に電話した時には、真田も荒垣の見舞いに来ていたらしい。
そう考えれば、俺とゆかりが影のゲートを使って来るよりも早く病室にいたというのは納得出来るな。
「なるほど。……で? ようやく荒垣が目覚めたって話を聞いてやって来たんだが、何だっていきなり怒鳴り散らしてるんだ? ああ、これ見舞いの品な」
そう言い、TVとかが置かれている場所の近くに果物の盛り合わせを置く。
この部屋は1人用の病室で、部屋にいるのは荒垣だけだ。
……もしここが普通の病室なら、さっきの真田の叫び声は間違いなく周囲の注目を浴びていただろう。
まぁ、荒垣は影時間に関わっている以上、まさかそんな風に人が大勢いるような部屋に入院させる訳にもいかない。
それを考えれば、こうして1人部屋に入院させるというのも納得は出来るんだけどな。
「あ、ああ。悪い。……随分と高そうだな」
料理が得意なだけあっ
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