相談-コンサルテイション-/part2
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」
身を案じているのだろうと思ったムサシは、身をかがめて目を合わせて微笑みを浮かべた。
「けどヤマワラワ。今更だけど、君もよかったの?本当なら、友達であるティファニアちゃんの傍にいたかったんじゃないかな?」
そのように問われたヤマワラワだが、首を横に振った。コスモスペースの地球からさらわれ、この星でティファニアと友達になった矢先にシェフィールドの呪縛に囚われ操られてしまうという不幸に見舞われた。その分だけ、友達であるテファともっと触れあいたいと思っているはずなのだが。
「そっか…」
しかしムサシは、ヤマワラワが首を横に振る理由も思い当たった。初めて任務でヤマワラワと遭遇した時のことだ。テファよりも前に、ヤマワラワは現在では家庭を持ったとある男性とも友達だったこともあり、彼が大人になったことでもう彼と遊ぶことができなくなるという切ない過去もある。その経験が、ヤマワラワに我慢を覚えさせたのだろうか。
「…今、ティファニアちゃんは黒崎君とようやく歩み寄り始めたみたいだ。サイト君たちも学院で一緒に何かやってくれてるみたいだし、今度遊びに行ってみようか?」
「ウホ!」
ムサシからの提案を聞いて、ヤマワラワは喜びを見せた。これまで友達と出会って切ない別れを繰り返してきた彼は、やはり内心ではテファに会いたかったらしい。
ジャンバードに戻った二人。内部は、ムサシが手を付けた影響からか、少しばかり工具やら、壁から露わになっているケーブルが目立っていた。他にも、ムサシが簡易的に衣食住ができるように寝袋や、食料、服を収めた少し大きめの木箱が部屋の隅に置いてあった。
サイトたちによると、ジャンバードは現在の宇宙船形態になったり、タルブ村での戦闘で見せた戦闘モード携帯『ジャンボット』にもなれると聞いていたが、他にも何か隠された機能がないか探っていた。とはいえ、未知の宇宙船だ。壊して二度と使えなくしてしまわないように気を使わなければならない。シュウが初めてこの船に手を付けた時、近くに怪獣の反応を探知できるようにジャンバードの一部の機能を復旧させたことがあったそうだが、未知の宇宙船の機能の一部にそこまで手を付けられたシュウの技術力は予想を超えていると思った。立ち直りつつあるらしいので、今度ヤマワラワをテファに会わせた時は、彼にジャンバードを一緒に見ていきたいものだ。
「ん…?」
ふと、ムサシの耳に着信音が聞こえた。ジャンバードのモニターからだ。
モニターにトリスタニア周辺、およびトリステイン魔法学院までのルートを現したマップが表示された。シュウによって、万が一何か特殊な反応があったら、このようにトリステイン国内の電子マップが表示され、反応の発生地点を赤く表示されるようになっていた。
しかし、ムサシはその反応の発生地点に……目を細めた。
「この反応は…!?」
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