相談-コンサルテイション-/part2
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いているが、元々の木造の上に金属の補強材等が加わっただけの頃と違い、全てが硬質な宇宙金属で構成されている。さらに言うと、自分が所属していたEYESの作戦指令室にも匹敵する精密な機械がびっしり張り巡らされていた。
(この機体、どう考えてもこの星の技術で作り出すことはできない。この星に入り込んだ宇宙人が手を貸してるのは間違いない。でも、今の問題はそこじゃない。
この機体が安全かどうかと言われると…)
ムサシは、もう10年近くは経った今も覚えている。彼のいた地球の防衛軍は、ムサシが所属していたEYESと同じく地球の平和を願う組織でもあるが、手段と考え方の違いから対立することが多かった。ムサシたちが怪獣も地球の生き物であり、むやみに殺すことは許されない、共存できるよう保護に力を尽くすべしと考えていた一方で、防衛軍はその真逆…怪獣や星人による犠牲を避けるために、危険と見なしたものにすぐに武器を振りかざし攻撃を徹底していた。しかも防衛軍には、特にタカ派思想が強い上官がおり、完全に間違っているとまでは言わないが横暴が過ぎる人でもあったのでタチが悪いイメージが強かった。
そんな対立する組織同士が、当時のカオスヘッダーの脅威が強くなったことが関係して手を結んだ。しかしここでも防衛軍は懐疑的な手段に手を染めた。
地球を侵略しようとした『潜入宇宙人・ベリル星人』の残した『侵略変形メカ・ヘルズキング』を防衛兵器として再利用することだった。
ウルトラマンコスモスに救われることが多かったことで、いつまでも彼に頼るわけにいくまいという当然の理由を持っての計画だったが、ムサシはこの計画に嫌な予感を感じていた。不幸にもそれが的中した。コスモスと同等の地球の守護者として生まれ変わったはずのヘルズキングは、ベリル星人が自分たちの技術を利用された時に備えて組み込んでいた防衛プログラムによって、再び人類に牙をむいた。結局その際もコスモスとEYESの共同戦線によってヘルズキングは停止したが、このこともあってムサシは、人間がよその世界の技術に手を伸ばすことに対して、嫌な予感をよぎらせずにいられなかった。
(サイト君にはルイズちゃんに召喚された時に与えられたガンダールヴの力がある。あれにはあらゆる武器を、触れただけで理解し使用できるようになるという力があるけど…)
ムサシは一瞬、サイトの持っていたガンダールヴの力に頼ろうと思ったが、すぐにその考えをやめた。このような希望的観測で、本当にヘルズキングのようにこの船が暴走でもして、トリスタニアの街の人たちに被害を加えたりしたら、所詮別次元の地球人である自分に責任なんて取れない。
一度ジャンバードに戻りながら、思案するムサシを案じてか、傍らにいたヤマワラワが顔を覗き込んできた。
「ウゥ?」
「…あぁ、大丈夫だよ。少し考え事をしてただけだから
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