相談-コンサルテイション-/part2
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の頃…。
ティファニアは一人、自分に与えられた部屋から、夜を照らす二つの月を見上げていた。リシュはシュウになついているため、彼の部屋で寝ている。
昼間、シュウが言った言葉を思い出していた。彼が人を守るために戦う。それはすごく立派なことだと思っていた。でも…知ってしまった。戦い続けるほどその身に地獄が降りかかるのだと。彼自身もすでに精神的の限界を迎えていた。
しかし幸い、シュウは自らの無謀さを詫びた後、少しずつだが出会ったころのような落ち着きを取り戻し始めていた。同時に、どこか柔らかくなった気もする。彼はすでに戦いに赴けるような気力を持っていない。それは、彼が傷つくたびに心を痛め続けていたテファにとって、不謹慎だとは思っていても、安心を抱かずにいられなかった。
そして今回、サイトが提案したという、魔法学院の生徒たちによる学校行事のこと。これの準備の手伝いが自分とシュウにも持ちかけられた。久しぶりに、平穏で楽しい日が自分たちに舞い込んでくるような予感がした。
(このまま…もう二度と、彼が戦わずに済めばいいのに…)
この静かな夜のように、平穏であれば…そう願わずにいられなかった。
しかし、この時誰もが気づいていなかった。
邪悪な影が、シュウを常に狙い続けていた。
彼が平穏を求めることを徹底して許さないとばかりに…
ジャンバードや改造ロイヤル・ゾウリン号の解析のためにトリスタニアに残っていたムサシ。彼はロイヤル・ゾウリン号の中である作業を行っていた。ヤマワラワもムサシに付き添いできている。彼はこの世界では世にも珍しい珍獣。どこぞのマニアに目をつけられたりして、彼を刺激すると怒って50mを超える巨体になってしまう。幸いこの世界では地球から見ても珍しい生き物がメイジの使い魔として存在していることが多いので、ヤマワラワはこの世界に留まっている間はムサシの使い魔扱いだ。
自身が元の世界から持ってきたものは少ないが、最低限持ってきたものはある。EYESに所属していた頃から携帯している小型銃ラウンダーショット、腕時計型通信機EYESペーサー、また個人で怪獣の探査と解析が可能な機器をつめているアタッシュケースだ。すでにEYESペーサーはサイトのビデオシーバー、シュウのパルスブレイガーとは、ジャンバードを介して連絡が取れるように回線が繋げられている。
今彼が行っているのは、ロイヤル・ゾウリン号の解析だ。ラウンダーショットに搭載されている分析用スキャナーで、船体を覆っている特殊な金属を見ている。
解析データが展開されたモニターにあまたの数値で示されていく。
(やはりただの金属じゃない。僕らの世界に飛来した宇宙人たちの宇宙船を覆っていた金属にも匹敵する固さ…)
続いて操舵室にも彼は入ってみる。かつてのように舵が着
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