相談-コンサルテイション-/part2
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い男には目がない彼女は強く気を引かれた。連日、祖国であるガリアからの無謀な任務のほかに、魔法学院襲撃でウルトラマンたちの戦いという危険にさらされたタバサにとってもよい刺激となるだろう。
それにしても、襲撃と言えば彼らのことが頭に浮かぶ。
一人はアルビオンで初めて会ったシュウという青年。もう一人はコルベールだ。
あのシュウという青年が、まさかあのウルトラマンの一人だったとは。なるほど、自分のような女が好ましく思わないのも頷ける。しかし、主であるティファニアとはうまくいっていないようだ。詳しいことはまだ聞いていないが、二人の間になにかあったことは間違いない。特にシュウは、まだ何か隠しているのだろうと思えた。あのコルベールが、実はかつてアニエスの故郷を焼き尽くした張本人で、学院を襲ったメンヌヴィルとは上官と部下の関係だったように。
戦争をあれだけ否定し、臆病さを積み隠さなかったがために、情けない臆病者だと思っていた。でも、愚かだったのは自分達の方だと、あの時キュルケは気づいた。迫り来る死の恐怖。それを自分の手で相手に押し付け命を奪った後悔。それをコルベールは知っていた。それもわからず、死を畏れず戦うことが勇敢な、加えて容姿の整ったいい男で、そんな男となら結ばれたいと今までの自分なら思っていたが、違う。死の恐怖を知らず戦うのは、ただの命知らずで、本当の勇気ではない。恐怖を知った上で、命を懸けて戦うことが本当の勇気だ。そんな恐怖と、コルベールやウルトラマンは向き合ってきたのだ。
窓の外を眺めながらキュルケは、これまで自分が男の外見と力の強さしか見えていなかったことに気づき、それを恥じた。
(あたしも男を見る目がまだまだだった…ってところね)
しかし、この事がむしろ自分にさらに火をつける。この経験と認識が、さらに自分が結ばれたいと強く思える男に出会える確率が…いや、既に見つけていた。
そうとわかったら明日、早速アプローチをかけなければ。他の誰かが手をつけてしまう前に。
部屋に戻ろうと上の階へ向かう最中、彼女は廊下の窓の外を見て、ふと足を止めた。校舎中央の塔のバルコニーに、誰かがいる。
(こんな時間に?)
夜更けにあの高台に上る生徒や教師はほとんどいない。まさか誰か身投げでもする気なのだろうか?でも警部兵たちが騒いでないし、フーケ事件での見回りの怠慢さを見直された教師陣も騒いでいない。不法侵入者の可能性もある。実際フーケもメンヌヴィルのいずれも、警備は意味をなさなかった。
別に警備兵の真似事というわけでもないが、危険な奴かどうか確かめるのもいいだろう。その後は誰かに知らせればいい。…以前と変わらない好奇心が大きいが。
キュルケは中央の塔のバルコニーへ足を運び、たどり着く。
そこにいたのは、青い髪をした同じ年くらいの少女だった。
そ
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