二十八日目
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
七月某日
「やぁ、相談役。今少し時間を貰ってもいいかな?」
「何の用だクリスハイト」
イグシティの転移門前で俺を待ち構えていたウィンディーネ。
コイツの名はクリスハイト。
リアルでの名前は菊岡誠二郎。
総務省通信ネットワーク内仮想空間管理課の職員…という事になっているらしい。
『らしい』というのは、コイツ絶対に官僚じゃないからだ。
多分自衛官。
それも左官クラスのエリート。
何故わかるかって?
そりゃ、父さんが自衛官で一等海佐やってるし、『自衛官』の雰囲気を知っている俺としては、菊岡が自衛官であるのは火を見るより明らかだ。
コイツと初めて会ったのが五月中旬。
和人に呼び出されて原宿のスイパラに行くと、和人と菊岡が居たのだ。
世界樹内部に突入した時の話を聞きたいという理由だった。
その隣で和人が申し訳なさそうにしていたのを覚えている。
「いやぁ、また少し話を聞きたくてね」
「またかよ…面倒くせぇな…」
前回はキリトの顔を立ててやったが、コイツに従う義理は無いのだ。
「そこをなんとか!」
んー…んー…あ。
「そうだなぁ…アンタの本職教えてくれたら、と言いたい所だが消されそうだから止めておこう」
「っはっはっはー…明日葉提督の御子息に手を出したら後が怖いからねー」
「提督?俺の父さんは艦長だぞ?」
「おや?知らないのかい?
明日葉一等海佐といえば海自唯一のコンバットプローブンと呼ばれる護衛艦【黄昏】の艦長だよ」
え?なにそれ知らない。
「え、え?コンバットプローブン?
【黄昏】が?そんなのしらないんだけど?」
するとクリスハイトは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「おいクリスハイトもしかして今のって」
外交問題で揉み消された事案じゃないのか?
「あー…トード君。いや灯俊君。
今の話は聞かなかった事にしてくれ。
冗談抜きで僕の首が『物理的』に跳びかねない」
「はいはい」
つー事はやっぱりコイツかなり高位の人間だ。
それも中央に勤める人間だろう。
二等か一等左官。下手すれば将補か?
「と、トード君。君が何を考えてるかはだいたい解るけど、それ、他の人には言わないでね」
「はいはい…」
「んで本題なんだけど今度和人君にまた話を聞くからSAO学校に来て欲しいんだ」
「まぁ…構わんが…」
「でも和人君には内緒だよ」
「Why?」
「びっくりさせたいからさ」
「あっそう。日時は?」
「追ってメールするよ」
「そうか。じゃぁな」
立ち去ろうとすると、クリスハイトが俺の手を掴んだ。
「んだよ?これから
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ