ペルソナ3
1991話
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ゆかりに刈り取る者とスライムを見せた翌日の午後、俺とゆかり、コロマルの姿は巌戸台分寮の前にあった。
「荒垣さん、まだ意識が戻らないみたいだけど……本当に大丈夫なの?」
「その辺りは、病院の腕を信じるしかないだろ」
荒垣の意識が戻らないのは、ほぼ間違いなく影時間とかペルソナとかの何かが関係している筈だ。
そうなると、その治療のノウハウを持っているのは、結局のところ桐条グループのみとなる。
いや、実際にはストレガとか、俺達が知らない組織がある以上、もしかしたら他にもそっち系の技術を持った集団はいるのかもしれないが、少なくても俺達が知ってる限りでは桐条グループしか知らないのは間違いない。
である以上、荒垣に関しては辰巳記念病院に……そして桐条グループに任せるしかなかった。
「わん!」
元気出しなよ、といった風に吠えるコロマル。
……ちたみに当然ながら、コロマルを連れて病院の中に入る訳にはいかないので、荒垣の見舞いに行ったのは俺とゆかりの2人だけだ。
病室の中にある花とかを見る限り、美鶴達の中からも見舞いに来ている奴はいるらしいけど。
「ともあれ、早く寮の中に入るとしようか」
そう言い、扉をノックする。
「はいはい。っと、やっぱりアクセル達か。入れよ、もう皆揃ってるから」
まるで俺達が来るのを待ち構えていたかのように――実際待っていたのだろうが――顔を出した順平の言葉に、俺達は寮の中に入っていく。
もう何度もこの寮に来ているので、戸惑うような事はない。
そうして寮の中に入ると、既にいつもの場所には、幾月も含めて美鶴達が勢揃いしていた。……ん?
と、勢揃いしているのはいいが、そこに見知らぬ人物が1人いることに気が付く。
武治がいないのは、まぁ、桐条グループの総帥として理解出来る。だが、何故ここに小学生と思われる子供がいるのだ?
「美鶴、その子供は?」
「うん? ああ。そう言えば……まだ紹介していなかったか? 彼は天田乾。S.E.E.Sの新しいメンバーだ」
「え? だって彼、小学生ですよね? なのに……」
美鶴の言葉に、ゆかりは不思議そうな……それでいて不満そうな様子で問い掛ける。
勿論小学生だからといって、影時間の適性がない訳ではないし、ペルソナ使いになれない訳でもない。
だが、S.E.E.Sに所属するということは、つまりイレギュラーシャドウと戦うという事であり、タルタロスに挑むという事でもある。
つまり、小学生が命懸けの戦闘をするという事になるのだ。
ゆかりがそれを不満に思っても、当然だろう。
普通であれば、まず考えられない出来事なのだから。
そんなゆかりの気持ちは美鶴にも分かるのか、美鶴は困ったように溜息を吐く。
「君の気
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