ペルソナ3
1991話
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他の連中も成長しているんだな。
初めて刈り取る者を見た天田は、腰を抜かしてただ見ているだけだ。
幾月も観察しているのか、それとも天田同様にただ動けないだけなのか、とにかく何か行動を起こすような真似はしていない。
「落ち着け。言っただろう。こいつは俺と召喚の契約をした。俺の敵じゃない相手には手を出さない」
「いや、だが……それはその、死神、ではないのか? 羽根が生えているが」
美鶴の恐る恐るといったような言葉に、他の者達が同意だというように頷く。
「正確には、元死神だな。正式な名前は、刈り取る者」
「怖えーよっ! この外見で刈り取るっつったら、それこそ魂とかそういうのだろ!?」
順平がそう叫ぶも、刈り取る者は特に動くような事はない。
ゆかりとコロマルの方は、昨日十分に驚いた為か、昨日のように驚く様子はない。
……ゆかりはともかく、コロマルは野生の本能とかそういうので、もっと刈り取る者を警戒してもいいと思うんだが。
「そうかもしれないな。実際、この刈り取る者はかなりの強さを持つし。それは、見れば大体分かるだろ?」
しかも、タルタロスで俺と戦った時と比べても、契約を結んだ影響で余計に強くなってるし。
「アクセルの戦力が強化されたのはいいが……また戦力差が開いたな」
美鶴の言葉に、真田が悔しそうに刈り取る者を見る。
もっとも、その悔しさは俺を羨むというところから来ているものではなく、自分の不甲斐なさといったものからきてるのだろうが。……その辺り、順平が以前俺に絡んできた時とは大きく違うよな。
「ともあれ、これからの戦闘でこいつを見ることがあっても、攻撃をするような真似はしないでくれ。その為に、こうして見せたんだからな」
そう告げる俺の言葉に、美鶴達は頷く。
……幾月の視線が若干気になったが、今の状況で妙な動きは自分の首を絞めるようなものだから、その辺りの心配はしなくてもいいだろう。
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