プロローグ終
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血塗れた道、果てしなく遠い道。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー失った、アイツを取り戻すための道。
「体は剣でできている」
目の前に広がるのは、荒れ果てた、高野。最初に感じたのは、小さな疑問。
「なん...だ、...?」
見渡す限り、無数の剣が地面に突き刺さり、
「...どこだ、ここ」
空には無数の巨大な歯車が連なっている。
夥しい程の鉄の臭いが、この世界中にひろまっていた。
胃の中の物すべてを吐き出せと言わんばかりの、悪臭。
鉄の臭い、血の臭い。
体の中のすべての臓物が混ぜっかえりそうになる。
「あぁ......くそっ」
まず、状況を整理しよう。
ここはどこだ?
ーーーーーーーーーーーーーーーいや。
そんなことはいくら考えても無駄か。
剣が刺さりまくった高野なんて、現実世界で聞いたことがないし、第一、空に浮かぶあの歯車はなんだってんだ。
慎二は体験版みたいなもんだって言ってたが、なにがなにやら、さっぱりわからん。
まぁ確かに、現実と言われても疑わない、リアルな世界だとは思う。
体は自分の意思のまま。ラグなんて存在しないし、目だってしっかりと機能している。
なにより、呼吸が辛い程のこの臭い。素直にすごいと思う。
ほんのひとにぎりの違和感さえなくなれば、現実世界と見分けがつかなくなりそうなほどに。
だが、しかし。
これははたして、ゲームなのだろうか。
俺のゲームへのイメージってのは、こう、なんていうんだろ。
モンスターとド派手な魔法とかを使ってドンパチするのを勝手に想像してたんだが。
......いや、待てよ。そういや前に美綴が
「なぁなぁ衛宮。アンタこのゲームやってない? 洞窟探索手伝って欲しいんだけど」
みたいなことを言ってたきがするな。
国内ダウンロード数上位の大人気ゲームだとかなんとかとも言ってたきがする。
ふむ、この体験版も、そういった探索型?のゲームなのかもしれない。
「とは、言ってもなぁ...」
辺りを見渡す。
「............」
どこを見ても、景色は何キロ先まで変わることなく、担い手のいない剣で埋め尽くされている。
そのひとつひとつをよく見ると、剣のディティールが、なんとまぁなかなかしっかりしている。
「ほぅ」
いや、ほんとに現実でありそうだな、と素直に感心してしまう。
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