ある作者未満読者以上の場合(前編)
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』でも開くか」
画面に二次小説専門サイトのウインドウがひらく。
最近、ミリタリーと美少女というものに覚醒したらしいなあ。
前は「ガールズ&パンツァー」なんか見向きもしなかったんだけど、劇場版が配信されたのを見てはまった。
でも、戦車のドンパチなんかどうでもいい。
前はこのカテゴリーでも評価が高いのはミリ系ばかりで、あとは能面パイロットのクロスとか、なぜか男どもが暴れる作品ばかりだったので敬遠だった。
でも、劇場版以降、ちゃんとしたラブコメを書く作者さんがどっと増えたのがうれしい。
それにつれてレベルも上がっている。
「一応会員登録はしてるんだがなあ」
ユーザーページを開く。「HNプラウダ風紀いいんかい?のページ」とでている。
二次小説に刺激されて、俺主人公のガルパンハーレムものとか、X指定小説とか書いているが、さすがにアップは躊躇される。
絶対死ぬほど恥ずかしい。たとえ本名と何の脈絡もないコテハンであろうが。
自意識過剰な自分がいやだ。
まして、批判感想の山になったら、絶対退会すると思う。
いや、自分が相手ユーザーに粘着して、粘着の罪で退会させられる。
ここぐらいしか良いの読める場所ないから、追いだされたくない。
まして、「痛い奴」の烙印付きで追放なんて、パニック症候群ものだ。
でも、二次元少女のハーレム……。
これぞ男の夢だ、異論は許さん!
エディターに書かれている自分の作品を見るだけで、陶然となってしまう。
『空想だけじゃなく、自分の作品世界をリアルに体験してみないか?』
――!
自分しかいないはずの汚部屋で、他人様、それも女の声がする。
誰だ俺の部屋に勝手に入ってきた奴は! 死刑死刑死刑死刑!
『んんーっ? 願いを叶えてやろうというのだぞ』
そいつは、床の上をふわふわ浮いていた。羽をぱたぱたさせながら。
どうも疲れたらしいな。幻覚が見える。
テレビに新品の円盤突っ込んで、アニメの録画予約して寝なきゃ。
『無視しないで話を聞け』
「14歳未満のロリは好みだが、あくまで二次元の話だ。
リアルなのには何の興味もないから、さっさと帰れ」
『だから、その二次元世界を体験させてやろうというのだ。
お前のプロットでな』
なんかこのガキンチョメス、頭に光る輪っか、白い羽に白い長衣。
これって「天使様」って奴かい? もしかしたら。
「あなた様は、天使様ですか?」
俺の問いにこくんとうなずくメスガキ……、もとい天使様。
「では、どのようにすれば、私は自分の作品世界をたんのーできるのでせうか?」
なんか積年の願いが叶いそうなので、ひたすら低姿勢だ。
『まず、そのサイトの取
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