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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica10今日からあなたがわたしのパートナー〜Sacred Heart〜
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言うところで、「待て、アインハルト!」と制止の声を掛けられた。

――チェーンバインド――

その言葉に床を蹴るタイミングをずらされた私がたたらを踏んだ直後、蒼い魔力で作り出された鎖状の拘束魔法が男性たちの四肢に巻きついたと同時、私の側をフォルセティさんが通り過ぎて行く。

「アインハルトさん!」

「っ! はいっ!」

拘束魔法から逃れようと体を捩っている男性たちへと私も駆け出す。身長が2m近い男性の体を駆け上がったフォルセティさんが肩に担がれていたヴィヴィオさんを抱き上げたかと思えば「アインハルトさん、お願い!」と私に向かって放り投げた。私はヴィヴィオさんを抱きとめ、すぐに目隠しと猿轡を取り払った。目を瞑ったままのヴィヴィオさんに、さらなる不安が襲い掛かってきた。

「ヴィヴィオさん!」

そう呼びかけるとヴィヴィオさんはゆっくりとですがまぶたを開けてくれた。そして始めは焦点の合っていなかった瞳でしたが、僅かな間の後しっかりと私の目を見つめ返してくれた。

「ア、アインハルト・・さん・・・? アインハルトさん!」

「大丈夫です! もう大丈夫です、ヴィヴィオさん!」

私に力強く抱きつくヴィヴィオさんを抱きしめ返す。 そんなヴィヴィオさんにフォルセティさんも「無事で良かったよ」と優しく肩に手を置いた。ヴィヴィオさんは「フォルセティ・・・! ありがと〜!」とフォルセティさんにも抱きついた。なんといいますか、ちょっと残念と言うか・・・。

「さてと。彼らも助けてあげないとな」

そこに私を制止した方、フォルセティさんのお父様であるルシリオンさんが、今なおもがいている男性たちに歩み寄った。

「運が悪かったな、君ら。操作されて誘拐事件を未遂とはいえ起こすとは」

「操作・・・?」

「そうだよ、アインハルト。怒りで捉えていなかったのだろうが、彼らの瞳は正気の色を灯していない。明らかに操作されている。緊急時とはいえ操作された被害者である彼らを殴り倒してはちょっと可哀想だ」

だからルシリオンさんは私を止めたのですね。改めて男性たちを、正確には目を見れば、目に光が宿っていないのが見て取れる。危うくルシリオンさんの言うとおり、被害者を殴ってしまってしまうところだった。

「確保せよ」

「聖王を」

「「「聖王を確保せよ」」」

男性たちがまるで壊れた機械のように、聖王を確保せよ、と繰り返し始めた。するとルシリオンさんが「はぁ。やっぱりあの連中の仕業か」と呆れ果てた風に溜息を吐きました。そして拘束を一旦解いた後、手錠のような拘束魔法で改めて男性たちを拘束し、それぞれを魔力の縄で繋げました。まるで複数のペットを散歩に連れ出す飼い主さんのよう。

「とりあえずみんなに連絡だな」


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