八竜のゴッドセレナ
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世界にやって来た」
エルザとグレイの厳しい問い。しかし、その質問をぶつけたことを、二人は後悔することになる。天海がこの世界にやって来たことは、一人の少年の精神を大きく揺さぶるものだからだ。
「俺はこの世界の俺から呼ばれてやって来た。名前は確か・・・
ヴァッサボーネ・・・とか言ったか?」
「「「「「!!」」」」」
その時全員の視線が一人の少年に注がれた。彼は目の前の人物から明かされた衝撃の事実に、言葉を失っていた。
「エドラスの・・・お父さん?」
呆然としているシリルは天海を見て固まっていた。乱れた少年の心は、この戦場に何をもたらすことになるのだろうか。
「意志が合わない?」
「何を言ってるんだ?こいつは」
「さぁ?」
ティオスの言っている言葉に意味がわからないといった雰囲気を醸し出している三大竜。だが、ティオスの表情は一切変わることはなかった。まるですべてを見透かしているかのような顔で、彼らを見据える。
「別にいいんじゃないか?どうせすぐに知れることなんだしな」
含みを持たせた笑いを見せる青年にスティングたちの額に血管が浮かぶ。彼らは顔にドラゴンの鱗を浮かび上がらせると、魔力を高める。
「三頭のドラゴンに勝てるか?」
「君たちはドラゴンじゃない。ただの人だ。それも・・・親から捨てられたね」
その瞬間、スティングとローグが駆け出した。光の如し速度で接近するスティングと影になって地面へと消えたローグ。それに続くようにグラシアンが、二人を意識から逸らすためかのように何のフェイクもなく突っ込んでいく。
「白竜の・・・鉄拳!!」
光を纏い拳をスティングが放つ。しかしティオスはそれを上に払うと、バランスが上に向いた彼の腹部に回し蹴りを放ち吹き飛ばす。
「ハァッ!!」
その直後に現れたのはグラシアン。彼は蹴りを放つが、ティオスはそれとはまるで違う方向に手を出す。
「悪いけど、君が幻影なのはわかっているよ」
「なっ!?」
視認できていたグラシアンは偽物。本物は自らの姿を消して向かってきており、ティオスの手によって攻撃を受け止められてしまった。
「誰かに変身しないんですか?あなたより強い魔導士はいくらでもいるでしょ?」
「言われなくて・・・」
足を掴まれたことにより偽物が姿を消して本物が現れる。本物は無理矢理青年の手を払うと、フードを被り、5本の杖を背負った青年へと姿を変えた。
「へぇ、こいつは・・・」
その姿には見覚えがあった。大魔闘演武でミラジェーンと共に現れた彼は、ジュラとレオンのタッグに果敢に挑んでいった
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